さんかいめ お彼岸
今日はお彼岸だったので、父と母と私の三人で計四つのお墓を参った。
母とはお彼岸や、お盆前などここ三年定期的に行っては居たのだが、父とは予定が合わず、今回が久々のお墓参りとなった。
移動は車で行い、窓を開けて走行しているので、窓から時折聞こえてくるみんみんぜみの声に耳を傾けたり、遠目から畦に咲いている彼岸花を眺めたり、その事を話題にしながら季節のことを話したり。
道中だけでかなり楽しかった。
ひとつめの場所は、海の近くで潮の香りが風にのって私の所に届いてきた。
お供え物は、道中で買ったおはぎと、お花。それと日本酒。墓守の人は別で居るので、お花の本数は用意しなかった。
今日は幸いにも気温はそこまで高くなく、過ごしやすい気温だったが、風が強かった。
なので線香を付けるのに、少し難航した。
その間に母は日本酒をお猪口にそそぎ、花を挿し、おはぎを供えた。
線香をあげ、お墓と向き合い、日頃の感謝を伝え、手を合わせ、目を瞑る。
自分の近況を心の中で伝え、しばらくの間そのまま目を瞑っていた。
どこか遠くから聞こえる工事の音と、風の音。近くを通る車の音が、やけに鮮明に聞こえたことが強く印象に残っている。
ふたつめの場所は市街地の中だ。
同じ手順だけど、線香をつけるのにはそこまで苦戦しなかった。
その事を、どこか寂しくかんじながら準備を終え、手を合わせ、目を瞑る。
日頃の感謝。そして自分の近況を伝えて、そのまま耳をすませる。
木々のざわめきと、遠くで聞こえるチャッカマンの音、箒で掃く音。
この時間を共有出来ていることに、再び感謝の念が湧いて出た。
みっつめの場所も、そう遠くない場所だ。
慣れた手つきでお供え物を供え、線香も苦戦することなくつく。
そうして、手を合わせ、目を瞑る。
自分の近況、日頃の感謝。
少しだけ車通りが多くなり、車の音がはっきりと聞こえてきた。
その事にやや雑念を抱きながらも、目を開ける。
よっつめの場所は、少し距離があり山の中腹と少し小高い位置にある。
坂に建てられた住宅地を抜け、そのまま霊園の中へ。
みっつめの場所とは違い、車の音はほぼ聞こえなかった。
お酒とおはぎを供え、お花を挿し終わったが、なかなか線香がつかない。
一本だけなかなか火が着きにくく、なんだか少し嬉しかった。
そんな時間もすぐに終わり、線香をあげる。
手を合わせ、目を瞑り、日頃の感謝と、自分の近況を伝える。
そのまま、耳をすまして、近くの山のなかから聞こえてくるつくつくぼうしの鳴き声を聞く。
ずっと聞いていたくなる感覚を抑え、目を開き、片付けをして出る。
こうして、今日のお墓参りは終わった。
久々に父と母と出かける機会を貰ったこと、そして今一度自分を見つめ直せたこと。
どれもが得難い時間だった。御先祖様への感謝を、日々忘れずに生きよう。そう思える。




