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にひゃくはちじゅうさんかいめ

 今日は、雲は多いが晴れ間が見えるような空だった。太陽は雲に隠れたり、強い日差しが雲間から差したり、不規則に見える太陽に、今日は曇りだと思って帽子を持って出なかったのが辛かった。

 近くのどこかからきこえる幼い声のでんでんむしの歌。大きな声で歌っているそれを聞いて、なんだかほっこりして歩いた。昨日が大雨だったからか、水たまりが多く、水たまりからいきなり出てくる小さな蛙たちに驚いて思わず大きくジャンプした。着地の時に少し変な姿勢になってしまったが、なんとか痛めずに済んだ。

 強い日差しが照りつけてくるものだから、段々目を開けるのが億劫になってきてしまい、目を閉じて歩いた。たまにどうしようもなく何も見たく無くなる時があるが、そんなときは少しだけ目を閉じて歩くのだ。目を閉じて歩くと言っても車通りもない道で、あるのは左右の溝と田んぼくらいなもので、危険はあまりない。通行人だとか、自転車は音で分かるので、そこまで怖くはない。

 一度目を閉じると、日常にあふれる音が鮮明に聞こえてくる。近くの側溝を流れる水の音、鞄の中に入った水筒の水が揺れる音、近くの道路を通り過ぎていく車のエンジン音、とんぼの羽音に、稲が風で揺れる音。

 とんぼの羽音に目を開くと、ひときわ強い風が吹いて空を飛んでいたとんぼと、つばめがふわりと更に上に飛んで行った。ちょうど太陽が出てきて、光に目が眩んでるうちに、とんぼとつばめは見えなくなっていた。

 そんな昼下がり。

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