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じゅうさんかいめ
秋、昼と夜の真ん中あたり、茜色に染まる空にうろこ雲。
今にも山の向こう側に行ってしまいそうな太陽に、カラスの鳴き声。
端の方から、ゆっくりと紺色へ染まっていく空に、山の向こうから出てくる大きな月。
稲刈りがおわったあとの田んぼが暗闇に紛れて、どこか寂寥感を滲ませる。
しばらく待っていると、やわらかな月の光が夜を照らしてくれる。湿気を感じさない涼やかな風に、虫の音が鼓膜を震わす。すっかりと夏が遠のいて、秋の足音が緩やかに近ずいて来る。
まだまだ昼は暑いけれど、この移り変わりの時こそをだいじにいきよう。




