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親が勇者転生したので俺は現実世界で金を100倍にして悠々自適に暮らします  作者: 古着屋バカンス
第二章 異世界と東京をいったりきたり
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【98】感染症のない東京は激混みらしい


土曜日の朝は、ユーリが更新したなろう小説を読む事から始まった。



どうやら異世界での修行を終えて帰宅してから、寝る前に1話分をバーッと書いて投稿する─という生活スタイルになったようだ。



小説の「次話投稿」のやり方は説明済みだ。


うまくできるかちょっと心配だったけど、問題なかったようだ。


ただ、集中してのめりこんで書いたのか、誤字がいくつかあった。


人はのめりこんで書いたときほど、なぜだか誤字が多くなるものだ。


LINEで知らせようかと思ったけど、そういえばユーリはLINEをしていない──というか、知らない可能性がある事に気づいた。



──いままで必要なかったけど、これからは隣といえども別の家で暮らすわけだから、使い方を教えておこうかな…。



電話で話す手段だけだと、お互い眠ってるところを起こしてしまう可能性があるから、スタンプや文字を使っての様子見は必要だ。



──イブもLINEを使ったりするのだろうか?


異世界の人たちがどんなスタンプを気に入って使うのか、興味あるな。



どっちみち俺が起きる時間──世間一般で言う所の昼飯時には、二人ともバザルモアにいるから「圏外」だろうけど。




アクビをしながらのそのそとリビングに入ると、川口が紗絵さんの作ってくれた肉料理のタッパーをつまみながら、PS4のゲームをしていた。


「おはよー。」

「オウ。」


言葉を交わしたあと、俺は奴の姿を二度見してしまった。


「あれ?川口、細くなってない…?」


昨日までサイヤ人みたいなムキムキマッチョだったのに、今はモデルのように細長い。


「筋肉増強のアンクレットを外したのだ。」


そういや昨日、脂肪が燃焼しすぎるとかなんとか言ってたっけ…

だからか、アンクレットをつける以前の川口よりも細くなっている。


「あのアンクレットがあれば、太ってもすぐに元の体型に戻せそうだなあ。」

「元の筋肉がいくらかないと、立ってるのも辛くなるかもしれんぞ。」


そうだ、川口はもともとガタイがいい上に大食いな男だから筋肉と少しの脂肪を残してとどまったけど、俺みたいなたいした筋肉がないタイプがあのアンクレットをつけたら、きっと痛々しい感じに痩せ細ってしまうだろう。


「おれはな、アンクレットの力に頼らず鍛えてみようと決めたのだ。今日からスポーツジムに通うつもりだ。」

「へえー!いいんじゃないか、健康になるし」

「ウム。ただ、メチャクチャ混んでいそうなのが気になる所だがな…」



今日は土曜日。


感染症がなくなってからというもの、土日はとにかくどこにいっても混んでいる。


スポーツジムも、これまで行きたくても我慢していた人たちが押し寄せて、常に混んでいるらしいという噂だ。


「昨日梅雨明けもした事だし、気温も高いからジムのプールが凄いことになってるんじゃないか?」

「ウーム、暑いからこそ、プールで泳ぎたいのだがな。」



俺もジム通いをしようかと思ってたけど、混んでるのは嫌なんで、別の方法をとって体のケアをしようと計画している。

その方法とは──



「あっ、渚〜!軽くなんか食ったら、行こうよ。予約時間に間に合わないといけないからさあ」


福田が洗面所からタオルを首にかけてやってきた。顔を洗っていたようだ。


「ン?お前ら、どこか出かけるのか?」

「そー。オレが少し前から行き始めた所に、渚を連れてく予定なんだよね」

「その場所ってのは──」



《メンズエステ》……!!



「ウム…昼間っからお盛んだな…」

「違ーう!エロ方面のメンズエステじゃなくて、エステティックサロンのほうだよ〜!」

「エステ…?脱毛とかすんのか?」


川口はポカーンとした顔で、俺たちの方を見ている。


「福田に聞いた話だと、脱毛だけじゃなく、機械で腹筋鍛えたり肌を整えたりもできるらしいんだ。川口もどうだ?」

「おれはいい。混んでてもジムの方が性格にあってそうだ。ここの近くにある値段の高い会員制のジムならまだ少しは空いてるだろ、きっと。」




──数時間後



俺は福田の通ってるメンズエステでお試し体験をさせてもらい、その風呂とはまた違う爽快感にすっかり酔いしれてしまった。

次に行った時には入会登録をしてコースの申込みをしようと心に決めたのだった。


コース料金は軽く100万円は超えるらしいけど、気にならない。



一方、川口の方はというと…


ハイレベルなジムはどこも厳しい入会審査があるらしく、すぐには入れなかったようで、ショボンとしながら帰ってきた。


芸能人やセレブが通う所だと、会費を払いさえすれば誰でも入れる、ってわけじゃなく、社会的信頼度が必要なようだ。


果たして俺たちみたいな存在が受かるのかどうか…相当怪しいものではある。



奴がどのジムも落ちまくった時のために、異世界の宝物庫のアイテムから、筋肉増量じゃない方法で体を鍛えられるアイテムはないか、探し出しておいてやろうかな。


そんなものがあるのかどうかはわからないけど、もしあったら俺も使いたい。



運動は面倒だし、審査ありのジムはなんか気ぃ使いそうで嫌だけど、なれるものならなりたいしね!憧れの細マッチョ体型に…。

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