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親が勇者転生したので俺は現実世界で金を100倍にして悠々自適に暮らします  作者: 古着屋バカンス
第一章 億万長者になっちゃった!
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【6】女子と食事をしたらしい


大型ショッピングモールで、大学生時代人気だった若者向けブランドの服を買った。


デパートや都会の大きなファッションビルにも入ってるブランドなので、ちょっといいやつだ。


もう学生じゃないけど、まだ社会に出てすぐの年齢なので大人ブランドを買わなくても別にアリだろう。うん。

そのうちね、そのうち。



もうすぐ夏がくるので、オーバーサイズのTシャツとワイドパンツ、冷房対策に薄手のシャツ

鞄と靴も買って合計約10万円弱。


「これまでなら、散財しちゃったーって不安にになってる金額だな。」


まあでもまだこれなら、同世代でファッションに凝ってる奴ならありえる範囲だな。

てか、そういう奴でもないとどうせブランドなんてたいしてわかりゃしない。


GUCCIを着てても「GUCCI」ってロゴが入ったデザインじゃない限り、わからないのが普通だ。

やたらとハイブランドを見せびらかすのも、おじさんぽくてしたくないし…


「父さんの若い頃だとハイブランド好きの若者も多かったって言うけど、父さん自体はそういうのに疎かったなあ…」


今ならわかる。

一番服飾に目覚める年頃、異世界に転移召喚された父さんは勇者として魔物や邪神と戦っていたからだ。


「ブランドのこだわりは特になくても、異世界の武具装備に関してのこだわりはあったりして。どこの防具屋の鎧は着心地が良いとか…」


親の活躍を想像するだけでも、ラノベが1本くらいは書けそうな気がしてくる。




買った服の袋を下げながらモールの中を歩いていたら、背後から女性の声がした。


「渚くん…?」


振り返ると、高校時代同じクラスでたまに話したことがある女子が、同じように洋服屋の袋を手に下げて立っていた。


名前は確か…れい…りん…


「芦田梨亜だよ、アシダリア。覚えてる?」

「覚えてるよ!梨亜。」


ふう、なんとか思い出せた。


あの頃は地味で、良く言えば清楚な感じの子で眼鏡をかけていたっけ。

外見は地味でも別に大人しいって感じではなく、社交性豊かで、男子にも別け隔てなく話しかけてる明るい性格の女の子だった。


卒業して5〜6年くらいたつけど、俺よりも大人っぽく変身しているのを感じる。


眼鏡はコンタクトに、髪は少しピンクの入った肩くらいの長さのブラウンヘア。

20代の女の子に人気のショップで服を買い揃えているんだろう。(梨亜の持ってる紙袋にはその店のロゴが入っていた)


マスクも爪もピンクベージュ。

髪の色と合っている。

柔らかくて可愛い感じだ。


「久しぶりだねー!渚くんもこのへんで買い物してるの?いつも」

「うん、たまにね」


本当は安売りの古着通販が多いんだけどね。


「仕事休み?私は今日休みだから、服買ってなにか食べて帰ろうとしてたとこ」

「俺も同じ。よかったらなんか食ってく?」

「ありあり!ここのモールのレストランエリア、美味しい店結構あるよね」



レストランエリアにある洒落たビュッフェに入り、久しぶりに会った俺たちは料理とデザートをたんまり食べ、お互いの近況を話した。


LINEアドレスの交換もした。


挨拶代わりに梨亜からその場で送られてきたメッセージは、シュールな顔をしたパンダの「これからよろしく」スタンプだった。

俺の顔色を見て、クスクス笑ってる。


可愛いな、と素直に思った。

スタンプじゃなくて、梨亜がね。



会計の時、奢ると言ったらしきりに申し訳ながっていたけど、誘ったのは俺だから気にしないでと言って納得してもらった。


「次は私が奢るからね!」


(奢られて当たり前の顔をしないのは人柄の良さが現れてるなあ、いい子だなあ…)


でも、また次の時も奢らせてほしいな、と思いつつも、俺達はモールを出た。


また会うことを約束して駅の所で別れたが、別の路線の改札を通っていく梨亜の後ろ姿を見て、ふと思うことがあった。


「車があったら送ってあげられるよな。荷物も乗せられるから疲れないし…」



車だ。

車を買おう。



次の買い物目標が決まった。

今度は服よりたくさん使うことになりそうだぞ。

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