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親が勇者転生したので俺は現実世界で金を100倍にして悠々自適に暮らします  作者: 古着屋バカンス
第一章 億万長者になっちゃった!
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【34】那覇で視線を感じたらしい


那覇空港に降りたった俺たちは、すぐさま予約しておいたレンタカー屋にむかった。



青いコンパクトカーを一台借りて、荷物を積む。

男3人(そのうち二人はデカい)と旅行用キャリーバッグ3つで、わりとぎっしり。


「ホテルに着きさえすれば、キャリー降ろせるもんな〜!あとは手ぶらでもいいくらいでさ」


運転席に座り、シートの位置を合わせながら、福田が言った。

俺は助手席、川口は後部座席だ。

(川口が助手席だと狭苦しく感じるから後ろに行ってくれ、との福田の提案(?)の結果こうなった。)


「そうだね。でもまずは、那覇市内に出るかな。ホテルはちょっと遠いから…」

「どっかのパーキングに入れるか、駐車場付きの店に入るかすっかな〜?」


福田は那覇の中心街である、国際通りのパーキングをとりあえずの目的地としてカーナビに設定し、走り出した。


「…なんでもいいから、メシのある所にいってくれ。」


川口が後部座席でグデっとしながら呟いた。

飛行機の中で、機内食を食べたあと腹が減った的なことを言っていたが、どうやら本気だったようだ。


「お〜、オレも賛成!なんか食いたいよな〜」

「川口、福田…お前ら、消化良すぎだろ…」


俺は奴らほどは腹が減ってないので、軽いものもある店がいいな…と、ガイドブックだけに頼らずスマホも合わせて検索。


時間は午後2時半。

国際通りまで車を走らせても、まだ夕飯には早い時刻だ。


(うーん、でもこいつらきっと、日が暮れたら暮れたで晩飯食いたいって言うんだろうな…)


俺はとりあえず、国際通りのへんをブラブラしてローカルフードを買い食いしたり、気になる店があったら寄ってみたりしようよと提案した。


「「ローカルフード」」


二人はその言葉に食欲と好奇心を刺激されたらしく、俺の提案は無事採用されたようだ。


ま、俺も買い食い、してみたいしね!

前に来たのは子供の頃だったから、自由に出歩いたりできなかったし。



─そういや、昔沖縄に来たとき、親と一緒にどこに行ったんだっけ…?


いくつかの風景とか、記憶の欠片程度のものは思い出せるんだけど、詳しい事は思い出せない。

5歳くらいだったっけ─小さすぎたから覚えてないのかもしれないな。


(ま、今回の旅で行ったことある場所を訪れたら思い出すかもしれないし、いっか。)




車を国際通り周辺の駐車場に入れ、必要最低限の物だけそれぞれトートバッグやボディバッグにつっこみ、俺達は歩き出す。


美味いものを求めて。



「ステーキとかさぁ、肉料理の店多めじゃね〜?沖縄って。」


国際通りに立ち並ぶ店をキョロキョロと眺めながら、福田がたまらんといった顔で言った。

川口は既に土産ものの店は目に入っておらず、食い物関係の店に視線をロックオンしている。


「肉か…それもいいな…。」

「いやいや、福田も川口も、ステーキなんて重いモンいま食べると夕飯食べれなくなっちゃうよ…なんかちょっとしたのないかな。」

「ちょっとしたので足りるだろうか…。」



賑わっている所に人は惹かれていくもので、国際通りの中でも原宿竹下通り的な賑わいを感じる、市場本通りというアーケード商店街に自然と足が向かっていった。


すぐ横にでかいドンキもあるし、観光客用の看板も沢山でていてとても華やか、かつ、賑やか。


このアーケードとほぼ平行に並ぶ「むつみ橋商店街」「平和通り商店街」という通りを合わせて3つのアーケードが、国際通りの観光スポットだそうだ。


それぞれの通りは、真ん中のむつみ橋商店街を挟んで、通り抜けできる細い通路がある。


どの通りからも「ここ観光客の人きっと喜ぶ場所だよー!見てみるといいよー!」という雰囲気が出ていて、楽しそうだ。


案の定、俺達は喜んで


「おおっ!」

「あれなんだ」

「すげ〜、東京と違うぜ」


などと口走りながら、3つの商店街をねり歩いた。

途中途中で見つけた、沖縄天ぷらやサーターアンダギー、パイナップルなどの南国フルーツを買い食いしながら…。



「─ん?」


俺はふと、誰かに見られているような感じがして振り返った。


そこには賑わう商店街と買い物客、俺達と同じような観光客がいるだけで、こちらを見ている人はいない。


「なんだ?今…」

「どうした、渚。」

「今、誰かに見られてた気がして…。」


川口と福田もキョロキョロと周りを見渡す。


「何もなさそうだぞ?」

「お店の人がたまたま見てたんじゃね〜の?あ!あの人たち観光客だ〜!みたいにさ。」

「これだけ観光客がいる中で、俺たちだけ見るなんてあるかなあ?」


それも、ちょっと見ていた、なんて感じじゃなく、体の中まで見られてる感触だった─


(なんだったんだ?今の…)


「そんな事よりさぁ、沖縄そば食べよーぜ沖縄そば!」

「お、いいな。」

「ちょ…二人共、それは流石に腹一杯になっちゃうんじゃないかー?」



─ま、いいや…たまたま、誰かが人間違いかなんかして見つめてたんだろう。



俺はそう考えることにして、二人の後を追った。


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