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親が勇者転生したので俺は現実世界で金を100倍にして悠々自適に暮らします  作者: 古着屋バカンス
第一章 億万長者になっちゃった!
33/162

【33】飛行機の旅はプレミアムらしい


「はよ〜っす、渚!」

「よう」


空港に着くと、福田と川口はもう到着していた。

二人とも、コロコロ転がせる中型の旅行用キャリーバッグを持参している。


(二人のガタイがでかいので、一瞬小型キャリーかと思った。こいつらに挟まれると俺、背…低く見えるな…。)


こなくそー、と密かに思いつつも、笑顔で合流。

沖縄旅行の始まりだ。



待ち合わせは、羽田空港で8時45分。


10時45分の便なんだけど、念の為2時間前には集合。

テンションが上がって、朝早く目覚めちゃったから遅刻せずに来れたな。

朝が苦手なんで、コンビニバイトのための早起きは嫌だったけど、楽しい予定のためなら早起きも気にならない。


俺たちは、もちろん全員朝飯を食ってくる余裕などなかったから、空港のモーニングセットをやってる店でなにかしら腹に入れた。


そのあと、搭乗手続きをすませ、旅の雑貨小物屋を覗いたりして登場時間までの時間をつぶす。



空港では、街なかと違ってまだマスクの使用を推奨されている。

念の為、というやつだろう。


(みんなにとっては、新型感染症消滅の情報はまだ本当なのかどうか検証中の訝しさがあるかもしれないけど、俺は母さんの聖女の力でそうなったって知ってるから、安心も安心─)


でもまあ一応、世間のノリに合わせてマスクをしなきゃいけないところでは、今の所マスクをつけとく。


「空港や病院とかだとさぁ、まだマスクつけるよう言われるよな〜…。」

「みんな街なかでは、暑くなってきてからとうとうしなくなったな。」


福田と川口が、周囲の光景を眺めながら小さめの声で話す。


「スポーツジムでも、念の為なのかまだマスク義務だったよ。」


と、俺。

先日、スポーツジムの見学に行ってきたのだ。


近所じゃないと続かないよな…と思い、恵比寿ガーデンプレイス内にある少々高めのジム─感染症真っ只中のときは臨時休業で大変みたいだったが─そこに、入会しようと考えた。


月額6万円のエグゼクティブコースにすれば、清潔にした服やらタオルやらを一式貸してくれるので、手ぶらで行けるのが魅力だと思った。

汗をかいた服や濡れたタオルを持ち帰って洗うのが大変だよな…と思ってたので、ここにしようかと思う。


まあ、旅行から帰ってからだけどね。



搭乗時刻。


俺たちは飛行機の搭乗口に行く。

結局、予約の際にANAのプレミアムクラスの席を3人分取ることにしたので、普通座席より先に搭乗できた。


「俺、飛行機は乗った事あるけど、普通席以外は初めて…!」

「…おれもだ。」

「オレもだよぉ〜、マジで凄いな。」


3人とも、座席の広さと整った設備に、感動ひとしおである。


座席に置いてある案内やらパンフレットやらなんやらを物珍しく開いて読んでるうちに、飛行機は飛び立って、我々3人は雲上の人となった。



機内食は有名料亭の監修のもとに作られた、非常に美味しい食事だった。デザート付きだ。

食事とともにシャンパンも貰えるらしいので、3人とも客席乗務員さんに頼んだ。


「福田、運転大丈夫?」

「あ〜っ!到着したらすぐレンタカーだっけ。ヤベ〜!飛行機に乗ってるうちに分解してくんねーかなー、オレの肝臓…」

「3時間もしないで着いちゃうよ、那覇。」


羽田→那覇間は約2時間40分。

普通席なら食事もないくらいの距離だ。

(プレミアムクラスのみ提供されるらしい)


「よし、じゃあおれがかわりに処理してやろう」


川口が、福田の前に置かれたシャンパンのコップを、ガパーッと一気に飲み干した。


「あぁ〜…ハア…」


福田は残念そうに肩を落とし、息を吐いた。


「ごめん福田。ホテルに着いたらたくさん飲んでいいからな。」


なのに福田は、俺や川口に運転を代わって欲しいとは絶対に言わない。

ヤツはヤツなりに、旅先の見知らぬ土地で車を走らせる事を、楽しみにしているのかもしれない。



飯を食ってコーヒーを飲み、一息ついたらもう着陸準備である。


「あっという間だな。東京から新幹線で大阪に行くより早いんじゃないか?」

「やったぁ〜!沖縄上陸ぅ〜」


川口も福田も、嬉しそうに窓の外の光景を見ている。



それにしても快適な空の旅だった。

プレミアムクラスだからだろうか?すごく時間が短く感じる。


これなら、国際線で長い距離を乗っても苦じゃないな。


国際線のファーストクラスだと、各国の飛行機ごとにもっとサービスも座席も良いって聞くから、興味がある。

色んな国の飛行機に乗って、それぞれの国のお金持ちの人が受けてるサービスを経験してみたいし、知らない国の機内食なんかも食べてみたい。



「美味しいんだろうなあ…食べたい…」


俺は各国料理版の美味しい機内食を妄想して、よだれが垂れそうになっていた。


「おい渚。今さっき飯食ったばかりなのに、なかなか豪傑だな。」


─ハッ!


顔に出ていてしまった。いや、声にも出ていてしまった─!


「いや、そういう訳じゃ…」

「大丈夫だ。おれもまだなにか食いたい。」

「オレもオレも〜!着くなりなんか食いに行こっぜ!」


大食らいコンビである川口と福田は、機内食だけでは足りなかったようだ。


「まずはレンタカー!空港で食うより、車でどっか行って食べようよ。もちろん俺がおごるから、安心していいよ。」

「「おうっ!」」


川口と福田は元気良く返事をし、口々に感謝の意を述べた。



俺は着陸にむかって揺らぐ飛行機の中、沖縄のガイドブックを開きながら、那覇周辺で予約しないでもすぐ行ける美味しい店をチェックしてみる事にした。

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