表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
親が勇者転生したので俺は現実世界で金を100倍にして悠々自適に暮らします  作者: 古着屋バカンス
第一章 億万長者になっちゃった!
25/162

【25】バイト代を100倍にするらしい


川口を改札まで見送ったあと、恵比寿駅前を歩いていると、信号の向こう側にある銀行のATMコーナーが目に入る。



そこで、とあることを思い出した。


「コンビニの最後のバイト代、そういえば振り込まれてるんじゃないか…?」



そうだ。月半ばで一週間休みを入れちゃって、そのまま…って感じだったけど、10日分くらいは働いてた。

先月末の給料日に振り込まれているはずだ。



「いま家の金庫に入ってる札束はもう一回魔法の袋から出しちゃった奴だからそれ以上は増やせられないけど、バイト代なら─」


俺はATMにより、残高確認する。



家賃は初月分は契約時に払ってあるし、今月は月末引き落とし(引き落とし日直前に預金しておく予定だ)


光熱費は全て口座引き落としではなく、支払い用紙で、コンビニで買い物をした時に払うようにしている。通信費も同じくだ。


年金や健康保険はも光熱費と同じく、支払い票で前納した。



だから特に口座から引き落とされているものはなく、バイト代がまるまる入ってるはずだ。



ATMの画面に、残高が表示される。


83343円


結構休んだから、こんなもんかな。



─しかしこれを家に持ち帰って、あの革袋に入れたら─



残高ゼロになるのもあれなんで端数だけは口座に残し、8万円を引き落とす。


元々財布に入っていた札束と混ざらないように、銀行の封筒に入れてマンションに持ち帰った。



玄関を開けてあらためて自宅に入ると、家事代行サービスのおかげで隅々までかホテルのように美しく整っていることに気づく。


単なる「清潔」とは違い、元々あるものが整頓されてる様が美しい。

ベッドメイキングもさすがのプロ!という感じで、俺のショボいシングルベッドがビジネスホテルのベッドに見える。


「さっきはゴタゴタしてて気が付かなかったけど、紗絵さんてスゴイんだな…」


新品のようにキレイに貼られた掛布団の上に座り、こりゃあ来てもらう曜日や時間を増やすのも、アリかもしれない…としばし考えていた。



「おっと、そうだ。革袋革袋。」


俺はそのままベッドで寝ちゃいそうになったところをガバっと起き上がり、書斎にある納戸の金庫へと向かった。



書斎と寝室、どちらにも小部屋がついていて、扉を開けて入れるようになっている。

2畳くらいのウォークインクローゼットだ。


壁のラックにはハンガーで服をかけ、余った床のスペースを今のところ納戸として使っている。



リビングを挟んで左右対称で全く同じ作りなので、この家はもしかしたら二人の人間が同居するのにちょうど良いつくりなのかもしれない。



この他に、玄関からリビングにむかう廊下の途中に狭い部屋が一室。

(ここはまだどう使っていいのかわからないので使っていない)


それと、玄関わきに1畳ほどのサービスルームがある。

ここは靴用の棚が壁に何段かつけられているので、でかい靴箱みたいなものだろう。贅沢な話だ。



さて、納戸…というかウォークインクローゼットの金庫だ。


暗証番号を入れ、金庫の扉を開ける。

中には約1億円もの万札の山と、親のノートパソコン、そして革袋が入っている。


もはやギュウギュウ詰めなので、もう1つくらい少し大きめの金庫を買ったほうがいいかもしれない。



俺は革袋を取り出し、財布から8万円を取り出して中に入れた。


袋がモコっと膨らみ、開けてみると百万円の札束が8つ、入っている。


「おおー、やっぱすごいな、この袋…」



一度袋から出した札はもう増やすことはできないが、新しく持ち込んだお金なら札でも硬貨でも100倍にできる。



「あれ…待てよ…?」


俺はある事を思いつき、心臓がドキッとした。



─お釣りなら、増やすことできるんじゃないか…?



コンビニとかで、1万円札で缶コーヒーかなんか買って、お釣りとしてもらった9千いくがしを袋に突っ込んで90万円とかにしていけば、事実上お金の無限湧きになるんじゃないだろうか…?


だとすると、俺は一生何もしないで生きていける事に…


いやもうすでにそこそこ、何もしないでいいくらいにはなってるんだけど…

なんにもしてないのに億稼いじゃったし…

いや、稼いだとはいえないか、これは。



ものは試し、と財布の中の千円札を一枚、袋に入れてみた。

これはコンビニかなんかでお釣りとして受け取った札だ。


「どうかな…?」


ドキドキしながら袋の口を開けてみる。


「あれっ…駄目かあ」


千円札が1枚入っているままだった。


「増やした札を使って貰ったお釣りも、増やした金の範囲に含まれるのか。じゃあ新品のお金はちゃんと労働をして得ないといけないんだな。」



─父さんがダンジョンで手に入れたとかなんとか言ってたけど、神様が作った袋なのか、ズルすぎる事は出来ないようになってるんだな…。


「まあ、すでに相当ズルいけどね…」


俺はさっき増やした百万円の束8つを見ながら、そう呟いた。



「自分ばかり良い思いをしてるのも申し訳ないから、高額寄付とか、世の中のためになる事にも使っていきたいけど…そういうのって、名前も身元も隠して出来るものなのかなあ…?」



今まで、赤い羽根募金とか、震災募金くらいしかあまり考えたことがなかった。



稼ぎ方だけじゃなくて、お金があるからこそできる使い方ってのも、いろいろとあるんだろうな…。

調べていこう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ