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親が勇者転生したので俺は現実世界で金を100倍にして悠々自適に暮らします  作者: 古着屋バカンス
第一章 億万長者になっちゃった!
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【21】家事代行人を雇うらしい


明けて月曜─



俺は朝食のグラノーラを食べながら、昨日の事を思い返していた。


「やっぱ家具が揃わないと、家に招待するとかできないよなあ…」


このマンションにあわせて買った家具がまだ届いていないので、フローリングの床に置いた小さくて古ぼけた座卓の上に皿を置き、床に胡座をかいて座って食べている。

 

尻が痛くなるので、ニトリで買ってきたクッションを敷いて、その上に座るようにしているのだ。

白地にモンステラの葉が大きくプリントされた、

夏っぽいデザインの物だ。


ソファに置く用のクッションなんけど…家具が届く頃にはぺちゃんこになってそうで、恐い。


「色々いっぺんに買いすぎちゃったせいで、2週間くらいかかるって言われたっけ。それまでは前の家から持ってきたものでしのぐしかない…」



とはいえ、配送にしないでいいものは渋谷の電化製品店や東急ハンズ、渋谷LOFTなどでそこそこ買い揃えたので、前のアパートでの生活よりかは格段に便利になっている。



最新式の電子レンジ、土鍋IHの炊飯器、電気ポット。

スムージーなんかを作れるミキサーも買った。

(作るかどうかわからないけど、これなら料理が下手でも野菜を採れるかな…と思って)


ダイソンのモップみたいな形をした掃除機や、楕円の輪みたいな形をした扇風機も買ってある。

エアコンをつけるって程でもないなあ、という日は扇風機で部屋を快適にできる。

その上、空気清浄や冬用の温風を出す機能もついているらしい。


もちろん、床掃除ロボットのルンバと、床拭きロボットのブラーバのコンビを買うことも忘れていない。


ドラム型の洗濯乾燥機は配送しないとならない大きさだったけど、引っ越して真っ先に買ったからもうとっくに脱衣所の洗濯機トレイに設置してある。

汚れ物の洗濯は必須だ。



それらの合計で、だいたい100万円くらい。


いつも通り、金庫の札の山から抜き取っていき、各々支払い時に使っていった。



「便利だなあ、最新家電って…まあ、狭いアパートだった頃は、カーペット用のコロコロ一つで全部済んでたし、ルンバなんて走らせるスペースもないから問題外だったけど」



しかし、だ。


フローリングスペースはルンバとブラーバに頑張って貰うとしても…


水回りやキッチンの掃除が面倒臭い…

バルコニーも段々ホコリが溜まっていってしまう。


「最上階の15階なのに溜まっていくホコリは、一体どこからやってくるんだろう?風に乗ってくるのかな。」


窓にも付着するザラザラした粉っぽい感じの汚れは、間違いなく黄砂だろう。


「これらの汚れを定期的に掃除してくれる人、誰かいないもんかな…」




ネットで家事代行サービスを探して、マッチングサービスから人を選べるサイトに登録してみることにした。 


住居の駅名と希望するサービス内容を入れると、登録している家事代行人のプロフィールが表示される。


顔写真を出している人もあり、料理自慢の人なら美味しそうなつくりおき料理の写真を出している人もあり…。


大人世代の女性が多いが、かなり年齢が高い人や、男性もいる。



その中で、気になる自己紹介文をあげている人が一人いた。

名前は「Sae」と書いてある。

顔写真はなく、折りたたんだリネンの写真や作りおきの料理の写真などが置いてある。


「〈得意なことは料理と掃除全般。お仕事に集中できる、ホテル暮らしのような清潔な環境を提供させていただきます〉…か。へえ、この人いいな…。」


ホテル暮らしのような、って所が気に入った。


あの、ホテル独特の「出かけてる間に部屋がキレイになってる」ってのが、なんか好きだ。

魔法でキレイにしたかのような、ぴしっと整った感じがある。


料理もOKなところもいいな。助かる。



家事代行サービスといっても、みんながみんな全てできるわけじゃなく、掃除だけ、料理だけ、という人もわりといる。



「この人にたまに来てもらえたら、清潔な家をキープできそうだな。夜中や朝に食べられるような、作りおきの料理も作ってもらえるかもしれない。」


毎日他人が訪れるのは気を使って疲れそうだから、週に1回くらいが限度かな。


料金は1時間3千円。

1日3時間くらいが妥当なのかなあ。

平均がわからないけど。


「…よし、とりあえず申し込んでみよう。」


長くいてもらっても疲れないようなら、時間や日数を増やすとかもアリだろう。




その後、サイトを介したメッセージのやり取りを経て、「Sae」さんに毎週木曜日の昼間3時間、来てもらうことになった。


29歳の女性らしい。

顔はわからないままだ。


「今日は月曜日だから…初めて来てもらうのは3日後か。なんか緊張するな。」



この部屋に女性がやってくる…。


掃除して迎えようかな…と思ったけど、掃除をしに来てもらうわけだからそんなのおかしいか。


でもあまりにも汚い部屋だと、恥ずかしいし…、



妙齢の女性にしたのは失敗だったかな…と呟きながら、何度もSaeさんのプロフィールを読んだり写真を眺めたりしている俺がいた。

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