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親が勇者転生したので俺は現実世界で金を100倍にして悠々自適に暮らします  作者: 古着屋バカンス
第三章 英国の香り・ソルベリー王国
144/162

【144】パディントン駅に着いたらしい


ヒースロー空港の両替所に立ち寄り、俺たちはそれぞれ日本円を50万円ずつポンドに替えてもらった。


万が一、一ヶ月やそこら滞在しなきゃならなくなったとしても、これでしばらく大丈夫だろう。

おそらく、帰りの飛行機のチケットを取るときには足りなくなるだろうから、俺の腹ポケットから万札を出して、両替して買うつもりだ。


アメリカンエクスプレスカードなど持ってないフリーターの俺たちは、ニコニコ現金主義である。



(新しい一万円札が発行されるらしいから、そいつが浸透しきる前に金庫にたんまり入れた諭吉をなんとか使いたいもんだ。全く、新札とか困るよ…)



次に、プリペイドのSIMカードを売ってる店で30日間有効のSIMカードを買い、それぞれスマホに入れる。


「おーっ、試してみたら、ちゃんとTwitterもYouTubeも見れるよぉ〜!」


福田が喜びの声を出した。

これで滞在中のネット環境もOKだ。




空港でやることはすんだので、パディントン駅までヒースロー・エクスプレスという直行便に乗ってむかう。



パディントン駅は地下鉄も諸々通ってるし、周辺にはホテルもものすごく多いデカい駅だそうだ。

だから海外からの旅行客のために、空港からの直行特急が走るようになったのだろうか?


時間は20分かかるかかからないか。

早くて助かる。


「渚、タクシーだと駄目なのか?」


川口が聞いてきた。


「車だとロンドン市内は渋滞する可能性が高くて、時間がかかる上にかなり高くなるそうだよ。」

「そこらへんは東京と同じだな。ロンドン名物の黒くて丸っこいタクシー、乗ってみたかったんだけどなあ。」

「多分この旅の間に、なんだかんだ乗ることあると思うよ。ロンドンの道とか、俺たち全然わかんないし。」

「そだな。一応、スマホにガイドブックはダウンロードしておいたけど…」

「Googleマップがあるから、万が一迷ってもなんとかなるんじゃね?」



そうだ、スマホ1つあれば、魔法が使えなくともなんとかなるのだ。

現代人の俺たちは。

圏外だとすぐ積むけど。


その上、俺たちには神様特製(?)の魔道具・翻訳の指輪もある。



初めてのヨーロッパ旅行なのに、こんなにも気が楽なのは、スマホと言語理解のおかげなのは間違いない。


なんせ、空港でも周りの人たちの言葉が日本語で聞こえてくるんだ。

成田空港にいるのと、実質変わらない。


本当だったらガチガチに緊張して、右も左もホテルもトイレも分からなくなってたことだろう…。




パディントン駅はまさに、ハリー・ポッターの映画に出てきそうなクラシカルな造りで、正直ちょっと感動した。


福田はメチャクチャ写真に撮ってインスタに上げてる。

川口は、駅構内にある『熊のパディントン』ショップを見てオーッ、本物だーっと感動している。(なんでだ)



今夜の寝床は、駅の近くにあるチルワースロンドンという5つ星ホテルだ。

トリプルデラックスルームという、3人用で普通の部屋より豪華な作りの部屋があるらしいので、agodaで予約を入れておいた。

agodaマジ便利。




「は〜〜っ、一息着いたぁ。」


ホテルの部屋に入るなり、福田はベッドにドサアッと寝転んだ。


「言葉がわかるとはいえ、見るものすべてなんだかゴージャスでクラシカルじゃん?イギリスって。圧倒されて、肩こるよね〜。」

「ウム。しかし目の保養になるな。映画やゲームの世界で見た街の風景が、当たり前のような顔をしてあるのはインパクトでかいぞ。」

「わかるわかる!オレはアレ思い出した。小さいの頃やってたアニメ。あの、右手が鋼で錬金術士なさあ…」

「おれは今まさにやってるゲームだな。大逆転な裁判ゲームの1&2が…」


福田と川口が、それぞれダブルベッドに腰掛けてウンウン頷きながら話に熱中してる。



「おい、お前ら。忘れてることないかい?!この部屋の不自然さを…!」

「「不自然さ…?」」


二人は、部屋の中をキョロキョロと見渡した。


「意外と狭いんだなってこと以外、特に見当たらねーんだけど…」


俺はふう、と息を吐いて、


「ベッドが2つしかないんだよ!」


と、告げた。



「あ?あっれ〜、そーいやそーだ。えっ、これってどーいうこと?」

「トリプルルームなんだよな?」


にわかに慌て始める二人。


「これは要するに、片方のダブルベッドに二人寝て、もう一つには一人で寝ろっていうことだ。すなわち!おかーさんとおとーさんと子供。ファミリー仕様なんじゃないかと思う…!」


川口と福田はお互いの姿をひとしきり見たあと、一斉に考えを口にした。


「「組むなら渚と…」」

「なんでだよ!!!!!」


俺が一人でお前らが一緒に寝るって選択肢はないのかよ!


「え…だってさあー。」

「これはサイズ的な問題だ。」 

「………。」



はい、なんにも言えませんでした〜。


俺が二人に比べて背が低くて筋肉も貧弱だからでしょーそれ!


でもダメ〜



「平等に、グーパーできめよ。」


グーパーか、怖えなあ。

でもまあ、こういうのも旅のイベントの一つか。




厳正なるグーパージャスの結果、俺は一人寝を勝ち取り、デカい男二人は隣のダブルベッドで同衾する事になったのだった。ヘヘッ。

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