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親が勇者転生したので俺は現実世界で金を100倍にして悠々自適に暮らします  作者: 古着屋バカンス
第二章 異世界と東京をいったりきたり
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【107】個室焼肉で打ち上げしたらしい


ユーリの「乾燥」の魔法で服を乾かしてもらった後、恵比寿のマンションに転移。


イブの部屋のリビングルームで、腹のポケットから金貨と宝石を出してみんなで分ける事にした。


まず最初に、ユーリが身につけたいものや素敵だと感じるものをとってもらう。


女性用のネックレスなどは、俺たちが持っていてもおそらく身に着けないし、金に困ったとき売り飛ばすための貯蓄にしかならないが、彼女ならおしゃれに使うかもしれないと思ったからだ。


「私は真珠がいいわ。真珠のネックレスとピアスを2種類ずつと指輪をもらうわね。」


全部で40個もあるからそれでは分前として少ないので、ユーリに似合いそうな女性的デザインのアクセサリーを他にも5個選んで、貰ってもらった。


福田はピアスの穴を開けているので、ピアス優先で選び、川口は指が太くてゴツいので、メンズ用の彫り物が入っている一番でかい金の指輪を選んだ。


他はなんとなく保管用に分けて、合計で一人10個ずつ入手すればいいという事に。

宝石の価値の高い低いはわからないから、インスピレーションで好きなものをとる程度である。


あと、金貨を(これもイブはいらないと言ってたので)四人で分けて、一人25枚ずつ。

金貨一枚で10万円の価値だから、250万円。


こんな大儲けできるなら、ボスにチャレンジする冒険者が出てもおかしくない気がするんだけど、あまりいないんだな。


あのボスだって他の猛獣系の魔物だって、弱体化できたから勝てたけど…通常のスピードだったら相当ヤバいもんね。


─そう考えると、最深部まで命からがら複数人パーティーとかで行って金貨100枚ってのは、いくら異世界の物価が安いとはいえ少なく感じるのかな。



川口と福田の私服への着替えが終わったので、脱いだ武器や防具を俺の腹ポケットにしまい、解散となった。



「なあ、焼き肉かなんか食いにいかんか?」


川口が誘ってきた。福田も肉!ビール!肉!とウキウキしている。


ユーリはなろうにアップする小説をいじりたいそうなので、イブさんと一緒に自宅でUberで頼んだものを食べるらしい。


俺たち男3人だけで、駅の近くの焼肉店に行く事にした。


ビールを飲みたいので、歩きだ。




駅のすぐ近く、駒沢通りの裏通りには、ラブホテルが数件集まってる道がある。


高級で上品な店が多そうな恵比寿にも、そういう場所はあるのだ。


周辺には小さめの洒落たバーや焼肉、各国料理店などが並ぶ。


大人のデートスポットって感じだ。


その中にある、雑居ビルの二階の個室焼肉に俺たちは入った。


店のおすすめが一通り入っているコースを選び、飲み放題をつけると一人9300円。


いわゆる焼肉だけじゃなく、メチャクチャ柔らかいので名物となってる「飲めるハンバーグ」とやらもついてくるらしいので、ハンバーグやステーキが大好きな川口はもう待ちきれないといった感じだった。



ビールが運ばれてきたので、まずは今日頑張ったことの打ち上げ乾杯。


「「「おつーーーっす!」」」


グイーっと流し込み、喉越しで夏を感じる。


「ぷはーっ、うめーっ!」

「なんかビアガーデンとかも行きたくなっちゃうよな〜、夏だしさあ。」


新型感染症がなくなったから、各地でビアガーデンも再開して大盛りあがりだと聞く。

去年の夏とは大違いだ。


人と人とが近くに座ってワイワイガヤガヤしながら、マスクの心配なんかせずにビールを飲み、ツマミを食ってもなんら問題がない。


─と言いつつ、今夜は個室なんだけどね。


異世界の話をするのにあたって個室型のほうがいいと思って選んだんだけど、消防法の関係か壁の上は開いてるから隣あうブースの声は丸聞こえなので、あまり滅多な話はできなかった。


まあいい。聞かれても、オンラインゲームの話かなんかだと思ってくれるだろう。


「いや〜、しかし渚の出した扉から水がなだれ込んできた時はあせったよね〜。」

「ウム、そうだな。魔法の道具だからって都合よく調整してくれる訳じゃないんだって事がわかった顛末だった。」


あの時は、イブの魔法で生きて出れたけど──


いくら戦いができるようになってきたからって、俺たちはまだ場慣れしてないんだなあということを実感する来事だった。


「俺、魔法は使えないからさ、そのかわり道具でイブのような補助ができなきゃいけないなって思ったよ。今日は。」

「そうだな、渚のアイテムの効果を知り尽くしていけば、中にはイブさんのように弱体化をかけたり、シャボンの膜を張ったりできる物もあるかもしれないもんな。」

「なにしろ今日のボスの何杯も強い敵と渡り合って、得た宝物たちなんだもんねえ〜、渚のポケットから出せるアイテムって。」


そうだ、父さんと母さんは、今日のボスよりもっともっと恐ろしい敵と戦い抜いていたんだもんな。

5年間も──


「ようし、がんばるぞ!」


俺は運ばれてきた特上国産牛の肉をジューッと焼いて、再びビールをゴクゴクっと喉に流し込んだ。




翌日、俺たち3人は激しい筋肉痛に襲われたので、ユーリに治してもらおうと連絡したら、既に異世界へ修行に行っている…。


俺たち3人の取れる手段は、食後に鎮痛剤を飲んで傷みをへらし、安静にすることばかりだ。



──夜になって、ユーリが修行から帰ってくるまでの間ガマンするしかないかぁ…。


くそ、日頃の運動不足がたたったぜ…!

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