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親が勇者転生したので俺は現実世界で金を100倍にして悠々自適に暮らします  作者: 古着屋バカンス
第一章 億万長者になっちゃった!
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【10】駅ビルで買い物するらしい


引越し翌日。



起きた瞬間、俺は自分がどこにいるのかわからなかった。


「いつものベッドなのに部屋が違う…」


ああそうか、恵比寿のマンションに引越したんだっけ。

という事に気づくまで数秒かかった。



寝室から扉を開けるとリビング。

そしてリビングにキッチンがあり、引越し業者に冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器などを設置してもらってあった。


しかしどれも学生の一人暮らし用…といった雰囲気の物で、なんとなく部屋にあっていない。

冷蔵庫も腰までの高さの小さいサイズのもので、キッチンの隅にちょこんと申し訳無さそうに佇んでいる。


「家電ももう少し大きいのを買わなきゃいけないかもしれないな…しかし、その前に」


─服を買おう。


昨夜、コンシェルジュのお姉さん達の前を通った時から思っていた。


─ハイブランドなんかじゃなくていいから、新品で、年齢的にも不自然じゃないカッコいいカジュアルを買ってこよう。


─日常着をそういうもので揃えてしまえば、いつ何時お姉さん達の目にとまっても恥ずかしくない。



歯を磨きながらスマホで「恵比寿 洋服」で調べると、駅ビルであるアトレ恵比寿が上がってきた。


「ああ、そういえば駅の上がデパートみたいになってたっけ…」


食料品店なんかも入ってるようだし、新生活を始める上でのひと通りのものが買えるかもしれない。


「家電や家具は渋谷にでも出て買わないといけなさそうだな、さすがに。」


古いのを使えばいいから、重たいものは車を入手してからでもいいか。


俺は身支度を整えて、持っている中でなるたけ良い服を着て出かけた。




西口駅前から長いエスカレーターを上がっていくとコーヒーだのパンだの、もろもろの食べ物屋が見えてくる。


俺は朝飯をまだ食べていない事を思い出し、6階レストラン街へ向かった。


つばめグリルでハンバーグを食べ、腹心地は満点。

元気良く4階の『BEAMS』に向かった。



春夏向きのゆるっとした開襟シャツやコットンイージーパンツ、ポロシャツ、Tシャツなどをどしどし買う。

近所を歩くのに便利なサンダルや、買い物袋に使えそうなトートバッグも買った。


隣の『SHIPS』にも移動して、家でも外でも肩が凝らなくて気持ちよさそうな、気に入った春夏物のカジュアルをどしどし。


合計で約40万円使ったかな。



3階の食料品店をめぐり、ちょっといい保存食やつまみ、調味料類、飲み物などを買う。


ベーカリーで朝食べるためのパン類もいくつか。

チーズがあるから、デカ目の丸いフランスパンみたいなやつも買っておこう。きっとあうはずだ。


その後長いエスカレーターを降り、駅前の銀行で引越し業者への代金を五万円振り込んだ。



これで、当初あった1億3百万円の束とは別に、持ち歩き用にしてた「端数」の88万円は27万円まで減った。


「マンションの敷金礼金と最初の一ヶ月分の家賃はあわせて200万円もしたから、家の札束から抜き取って不動産屋で払ったけど…それでもまだ1億円ブロックは手つかずのまま。100万円の束と端数が余ってるんだよなあ…スゲー。」


メインの束である一千万円ブロック×10個には、細かい買い物じゃなかなか到達しない。


「車の支払いで3百万は減るかな。海外旅行でもいけたら、ドッと減りそうなもんだけど…今は新型感染症のせいでなあ…。あ、でも菌も母さんの聖女パワーで消滅したみたいだし、国内旅行くらいは許されるかな?」


沖縄あたりに行ってみようかな。

5階に本屋が入ってたみたいだし、戻ってガイドブックでも買ってみよう。



俺は再び駅ビルのエスカレーターをのぼり、ウキウキしながら上の階へと向かった。



しかし俺はその時点で、まだ知らなかったのだ。


感染症の菌消滅によって、各国が急速に他国への渡航規制を緩和する準備を進めている事を…。


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