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「銀騎士」
大いなる闇に対抗するため、王は騎士たちの鎧に銀を纏わせた。
都を行進する騎士たちは民の瞳に希望をもたらしたが、それは一時のものでしかなく。
民は城壁の内側から、遠方で漆黒に呑まれゆく銀の輝きを眺め、ただ祈ることしかできなかった。
――『亡国の歴史を記した紙片』、筆者不明
「見よ、この銀に輝く鎧を! 私こそ、姫の相手にふさわしいのだ!」
「いいからとっとと始めてよ。こっちはまだ、やらなきゃいけないことがあるんだから」
「少年とて、手加減はせんぞ。家宝の剣に誓って! この決闘、勝たせてもらう!」
――自称、『輝く銀の騎士』マーケ・ドッグ。敗北する十秒前の会話。




