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●「大砂蟲の大空洞」

「さあ、いざ行かん! 地下の世界へ!」

「腐った大樹の次は、蟲が掘った穴か。俺らはいつもこんなんばっかだな」

 ――大砂蟲の穴へ進むオアシス団


 

 巨大な怪物は、ただ移動するだけで災害となる。

 進路に街があれば押しつぶし、山があれば大穴を開ける。そのような大移動は、過ぎ去った後にも問題を残すものだ。

 

 住人は避難したが、瓦礫(がれき)の山となった廃墟。巨大な蟲が掘り進み、大地に穴を開けた大空洞。

 そうした場所には、住処(すみか)を求める怪物たちが集まる。

 廃墟は拠点となり、大穴は巣となるのだ。


 時には、そうした新しい住人を求め、冒険者たちが大移動後の狩りを行うこともある。

 だが、心しておくべきだ。誰にとっても魅力的な住処ということは、あらゆる存在が潜んでいる可能性があるということなのだから。

 思いがけない出会いが、必ずしもいいものであるとは限らない。



 大砂蟲の討伐後、オアシス団の団長シエスタは砂の都の首長から、金貨三十枚の報酬を貰っていた。

 しかし首長は、とどめを刺したシエスタにのみ報酬は与えられるべきだと頑なに譲らず、共闘した炎の魔法使いフェルトには何一つ渡さなかった。

 当然、そのような態度を炎の魔法使いにとれば、結果は火を見るより明らかである。

 フェルトは首長の家財をいくつか燃やすと、屋敷の扉を蹴破り、街の雑踏の中へと消えてしまった。


 しかし、砂の都の危機はまだ去っていない。

 大砂蟲が掘った穴は、地下空洞へと繋がっていた。そこにはオークの拠点があり、密かに襲撃の準備が進んでいたのだ。


 その悪しき気配を感じ取ったシエスタは、団の者を率いて蟲の大穴へと向かう。

 誰に頼まれたわけでもなく、自分の直感を信じて。

 シエスタたちオアシス団は、暗く深い地下世界へと降りていく。


「そういえばさあ、魔法使いさんにお金、渡しそびれちゃったな。この間迷惑かけた分も合わせて、七割はあげようかと思ったんだけど」

「短気とせっかちは損ってことだな。ま、そのうちまた会えるだろうよ」

 ――オアシス団、オークの拠点までの道中での会話

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