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●「巨獣の骸」
「大砂蟲の骨の魔除けはどう? こっちの牙とかも、あー……なんか運気が良くなるかもしれないわ!」
「相変わらず、お金になりそうな話に寄ってくるのね」
「げぇ、なんであんたがここに!?」
――降霊術の魔法使いアンバーと、炎の魔法使いフェルト。砂の都での再会
巨大な怪物を倒した際、問題となるのはその骸の処分だ。
竜などは肉や骨、臓器などあらゆる場所が金になるため、何もせずとも解体屋や素材加工を主とする者たちが集まるが、すべての怪物がそうであるとは限らない。
食えない、解体できないならばまだいい。中には毒が漏れたり、死体であろうと燃え続けて周辺に被害を出す怪物もいる。
街の近くであれば、なおさらだ。
避難するほどの大事になれば、それによって生じる問題もある。
英雄は、ただ敵を倒すだけでよい。
どうせ、倒された怪物を処理するのは、残された者たちなのだから。
だが真の英雄ならば、後のことも考えてやるべきだろう。
「私も手伝うから、何割かよこしなさい」
「は? なんで?」
「いま着てるのが、このマント一枚だけってので察しなさいよ」
「別にいいでしょ? 貴方は人前で脱ぐ変態で――」
「違うわよ! ないの! 一銭も! だからお金を少し貸しなさ……貸してくれると、助かるのだけど」
――砂の都、大通り。口論する魔法使いたち




