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「秋のきのこ狩り」
「大樹の森で行うきのこ狩りは、少し意味が違う。人はきのこを食うのが好きかもしれないが、あの森のきのこも、人を食うのが好きなんだ」
――きのこ狩りの狩人
大樹の森では、きのこがよく育つ。
鋭い牙で喰らうもの、胞子をまいて同族を増やすもの、剛腕で殴り倒すもの、様々なきのこが森中をうろついている。
そして秋といえば、森のきのこが蔓延る時期だ。
この季節になると、大樹近くの村は狩人を募り、森へ入ってきのこ狩りを行う。
適度に間引かねば、きのこは森の外に獲物を求める。そうなれば、村は数日ともたずに壊滅してしまうだろう。
ゆえにこれは、人ときのこ、双方にとっての狩りなのだ。
秋の森は、どこもかしこもきのこばかり。
けれど、大樹の森はすべてを受け入れる。
きのこも人も、森にとっては等しく生命であり、また養分なのだ。




