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「湖の精霊」
「くそ、こんなとこまで探しに来やがった。こいつはここに捨てるしかねぇか」
「貴方が落としたのは、この『血のついた金の剣』ですか? それとも、『血のついた銀の剣』?」
「ち、ちくしょう……なにを選んでも怪しまれちまうじゃねぇか」
――湖の精霊と殺人犯
湖には、人が思うより多くの存在が潜んでいる。
魚や魔法生物はもちろん、それ以上のなにかも。
中でも、古い湖や魔力の溜まる場所には、精霊が住み着くことがある。
精霊は強力な力を持つが気まぐれであり、いつも暇潰しにできることを探している。
運よく出会えれば、きっとなにか反応してくれることだろう。
ただし、力持つ者の気まぐれとは、文字通りなにが起こるか分からない。
幸も不幸も、良いも悪いも、すべて精霊次第。
相手の都合など関係ない。精霊が何百年と生きる中の、一瞬の楽しみでしかないのだから。




