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「強面の兜」
カオガイ・カツイデス砦を守る百人隊長、コーワ・スーギが戦で身にまとう兜。
兜の頭頂部の突起には、百人隊長を表す赤色に白の一本線が刻まれた大羽が飾られている。
兜は所有者とともに、長い時を戦場で過ごした。
かつて黄金だったその表面も、いまや無数の傷がつき、返り血でくすんでいる。
また、可動式の面頰は怒る戦神を象ったものだが、ある理由でコーワ・スーギは、そのことを部下によくからかわれる。
兜はけっして、本人の顔を模したわけではない。しかし、彼の顔があまりに強面なため、砦にいる時でさえ兜を被っていると思われているのだ。
戦場でコーワ・スーギを怒らせても表情が変わらない時は、注意するといい。
それはただの兜であり、内に隠れた顔がどうなっているかは、語るまでもない。




