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「ゴブリン工作部隊」
船体が沈み始めた時、リーダーが言った。
「重いものを捨てろ」
指示通り、大柄なゴブリンは近くにいた操縦士を海へ投げ捨てた。
――港から侵入しようとしたゴブリンたち
ゴブリンにも様々な種類、そして集団が存在する。
ほとんどは皆が印象を抱く通りの、粗野で争い事しか好まない連中ばかりだが、どんなものにも例外はあるものだ。
たとえば、ものづくりが得意なゴブリンたちは偵察用の気球を飛ばしたり、簡単な船を作って海で漁をすることもある。
どれも人間の道具と比べると稚拙ではあるが、あのゴブリンがそういったものを作れるというだけでも、十分脅威と言えるだろう。
幸い、今のところ彼らの作った道具で大きな被害を受けた報告はないが、あくまで今のところの話だ。
彼らは暇なだけあって、一日の時間の多くを開発に注げる。しかも、失敗することで起きる被害を気にしない。
作った乗り物で仲間が爆散しようと、彼らにとっては些細なことだ。
そうした失敗の積み重ねが、いつか恐ろしいものを完成させるための経験となる。
たかがゴブリンが作ったものと、侮るべきではない。




