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「巨竜の翼休め」

 軍団の上空を巨竜が飛んだ時、指揮官は山の坑道に兵を避難させた。

 実際、その判断は通常の竜が相手なら間違いではない。

 相手の視界から逃れ、空から降ってくる炎を浴びることもないからだ。


 彼らが全滅したのは、指揮官のせいではない。

 そもそも竜は軍隊など気にかけていなかったし、誰かを傷つけようとも思っていなかった。


 これは、巨竜が翼休めに山の上に降りたら、少し足場が沈んでしまったという、それだけの話だ。

 人間が足元で小さな虫を踏み潰しても気づかないように、あまりに大きな竜もまた、自分が踏みつけたものをいちいち気にはしない。

 まして竜は、普段は飛んでいるのだからなおさらだ。

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