「魔法学院の新入生」
「みんなどうして、あんな魔法ばかり使いたがるのかしら。野蛮だわ」
「君みたいに、先生が教える魔法を全部覚えたい人ばかりじゃないんだよ。大抵の人は、ああやって火で燃やしたり、相手を吹き飛ばしたりするほうが楽しいだろうしね」
――魔法学院の新入生たち。廊下での会話。
魔法学院は世界各地にいくつかある、魔法専門の学び舎だ。
魔法の道を志す者、あるいは学院に招かれた者が門をくぐり、各々が希望する教室で専門の魔法を学ぶ。
年齢は問わず、老若男女が集まるものの、生徒の大半を占めるのは代々の魔法使いの血筋か、学院が招き入れた才能あふれる若者たちだ。
新入生はまず、魔法の基礎となる知識から学び、それから初級魔法の実践に移る。
すぐにも魔法を使いたいと思う者は多数いるが、行使する力への理解が及ばない段階でそれを用いれば、何が起こるかわからない。それが魔法だ。
使い方を誤れば自らを、そして周囲を巻き込んで著しい被害を及ぼす場合もある。
そのような危険性を学ぶ上でも、まずは知識からなのだ。
そうして一年生の間は共通のものを学び、一通りの基礎を会得して二年生になると、生徒は自分が学びたい魔法の教室を選択し、見習いとして各々の道を進んでいく。
著名な魔法使いは学院出身者が多く、学院もまた、それを誇っている。
唯一、北の魔法学院だけは来る者拒まず、変わり者ばかりが集まることで有名で、それゆえ他の学院からは侮蔑や嘲笑の対象となっている。
しかし、歴史に刻まれるほど事件や怪物の大災害などで名を残すのは、いつも決まって北の学院の出身者だ。




