表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/150

「醜い死霊・前編」

「生きていた頃も、僕は醜く汚いって嫌われてた。そして今は、幽霊が怖いってみんなに嫌われてる。人から嫌われるのには、慣れてるんだ」

「ふぅん? それでも貴方は人が恋しいってわけ? なら、私に一つ乗りなさい幽霊さん。絶対儲かる話があるの。一緒に億万長者になりましょう?」

 ――醜い死霊と降霊術の魔法使い



 辺境の村、ワイソロー。

 森と石に囲まれた暗く陰気なこの場所で、とある事件が起こった。


 それは深夜、日を跨いだ頃の話。

 犬がやたらと吠えるので外に出た住人が、あるものを目撃した。

 村の中を、すすり泣く足のない人影が徘徊していたのだ。

 おそらくは死霊なのだろうが、村には教会どころか魔法使いすらいない。

 対処もできず、危険かどうかもわからないため村長は深夜の外出を禁止し、ひとまず様子を見ることとなった。

 それからというもの、毎日決まった時間に死霊は現れ、ときおり呼びかけるように叫んだり、泣いたりを繰り返した。


 恐怖と騒音で眠れないと困っていた住人だが、そんな時ふらりと、ある魔法使いの少女が村を訪れる。

 少女は自らを降霊術の使い手と名乗り、実際その背後には、古風な衣装に身を包んだ老人の霊を連れていた。


 そこで村の住人は、彼女に死霊の問題を解決してほしいと頼み込んだ。

 小さな村ゆえに少額だが、住人全員で出せる分だけ集めた報酬を、しかし少女は受け取らず、無償での協力を約束する。

 

 調査の結果、死霊はかつてこの村の住人だった男で、森から生じた大きな力の影響により、長き眠りから魂だけが目覚めてしまったことがわかった。

 彼は生前から孤独であり、人のぬくもりを望み求めたが、叶わず死んでしまったようだ。

 その心残りと、謎の強大な力が彼を死霊として蘇らせ、夜ごと徘徊しては一人寂しさに泣いていたのだ。

 

 そこで、魔法使いの少女は考えた。

 彼の孤独を癒やし、ついでに儲けられるとっておきの策を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ