「オアシス団」
「えいえい、ぎゅーっ」
「お前もそこそこになるんだから、いいかげん誰彼構わずひっつくのはやめんか!」
「えー? オジサンなんで赤くなってるのー?」
「こ、これは酔いが回ってきただけだっての!」
――オアシス団、酒場での会話
何でも屋、オアシス団。メンバーは三名。
仕事内容こそ冒険者のそれと同じだが、代表の少女含め団員は協会への登録を行っていない。
オアシス団の名前の由来は、以下の通り。
『お』こまりのことが
『あ』ったら
『し』えすたに
『す』べておまかせ
これは団長であるシエスタが子供の頃に考えたもので、特に団員からの異論もなく、現在まで変えずに使用している。
また、オアシス団は特定の拠点を持っていない。
各地を放浪しながら少額の報酬で仕事を請け負い、気の向くままに流れていく。
ときおり、妙な事件や恐ろしい怪物に出くわすこともあるが、今のところはなんとかなっているようだ。
オアシス団の団長、シエスタ。
灰を被ったような独特な色合いの黒髪と、黄金の瞳。それは神代に遡る、ある血筋に由来するものだが、今となってはそれを知る者もごく少ない。
彼女自身、いまだ己の血に繋がる過去を知る由もなく。だがそれこそが、シエスタに災いを呼ぶ元凶なのである。
けれどシエスタは、どんな窮地でさえ乗り越えてきた。
彼女と仲間の力、そしてシエスタを認めた、ある者たちの手によって。
星の者たちに認められた時、シエスタは物語の主役たるを望まれた。
その時からシエスタもまた、天上に輝く星々が求める、物語の一部となったのだ。
そして今日も、シエスタは旅をする。
彼女のトレードマークである白いマフラーをはためかせ、オアシス団の仲間を引き連れて。




