〜幼馴染編〜9話
旅からの学び(たびまな) 9話
「キト・・・。」
ふと思い付いた名前をボソッと言ってみた。
「キュルーー。」
リス型の魔物は、喜んでくれているみたいだ。僕の方を見て笑っているように見えた。
「よし!今日から君の名前は『キト』だ。宜しくね。」
キトは、僕の肩に乗り頬をスリスリしてきた。本当に愛らしい魔物だ。
「魔物に好かれお互いに認め合えるのは極めて稀なケースだ。キトを大切にするんだぞ。」
父さんが、僕とキトを見て驚いたように言った。確かに、魔物と仲良くなるなんて今の今まで考えてもいなかった。考えてもいないことが起こる。それが、人生というものなのだろうか。面白い。
この日は、僕の部屋でキトと一緒に寝た。キトの寝顔は、とても可愛い。
次の日の朝。
今日は、いつもの4人で村にある商店街に買い物に行くのだ。師匠が、最近は修行や依頼の対応などばっかりだったから休暇を取らせてくれた。
そろそろ、待ち合わせ場所に行かないとな。待ち合わせ場所は、この村の中心にある大きな木の下である。そこには、ベンチがあり良く多くの人がそこで休んだり、お話をしたりしている。この村は、世界の始まりの地だ。その由来となったのもこの木が関係しているのだ。この木の名前は、『ビギニングシングス』という。この木は、大地をが通して世界に力を送っているという伝説があるのだ。
「おまたせ〜〜!」
リラが、大きな声で嬉しそうに手を振っている。リラの両隣には、アクシスとムドもいる。どうやら、途中で一緒になったようだ。
「あ〜!あの魔物も一緒に来たんだ。」
「俺の肩から離れないんだ。キトのお気に入りの場所なのかな?」
「キト?」
みんなが、声を揃えて不思議そうに言った。
「あ〜。この魔物の名前だよ。魔物と呼ぶより名前で読んだ方がいいかな?と思ってさ。」
「良い名前だね。これからよろしく!」
みんなは、そう言うとキトの頭を撫でていた。
「さぁ!商店街に行こうか。」
アクシスは、ワクワクしながら言った。どいやら、まだ出会ったことのない本に出会えるのではないかと目を輝かせている。
「何か美味しいものが食べたいなー。」
ムドは、美味しいものに目がないのだ。
「私は、ルナさんに会いたいなー。」
ルナさんは、リラが憧れている回復役のお姉さんのことだ。ルナさんは、おしとやかで美人であり、ヒーラーとしての腕も凄い人なのだ。
「 僕は、新しい剣を見に行きたい!」
「リードは、剣が大好きだもんね!」
リラが、ニコニコしながら言った。そうだ、僕は剣が好きで形や色、重さや長さなどにこだわりがあるのだ。片手剣が得意なのだが、いつかは刀(長剣)を使えるようになりたいと思っている。
みんな心を躍らせながら商店街に向かって行った。
つづく。




