〜化学の島編〜2話
旅からの学び(たびまな) 旅立ちの時編 2話
師匠の家を出て、旅の準備をすることにした。一度外に出てしまうと、しばらくは帰ってこられない。
だから、僕はキトと一緒にお気に入りの場所に行った。この場所は、師匠の家から獣道を通っていくことができる。
やはり、お気に入りの場所は居心地がいい。キトも落ち着いているようだ。そういえば、キトと会ったのもこの場所だったな。
思いにふけっていると、辺りがオレンジ色に輝いてきた。夕日だ。ここからみる夕日は、凄く綺麗で心に染み渡るものがある。昔、オルデンとも見たことがあったな。懐かしい・・・。
「陽が沈むから帰るか。キト。」
「キュルーー。」
この時、キトの体から何かオーラが出ていたように見えた。気のせいかな?
僕たちは、家に帰り旅の支度をした。その時に、母さんが、
「無理しないで、帰りたいと思ったら帰ってきなさいね。」
と心配そうに言った。
「うん。ありがとう!」
僕は、母の愛を感じながら言った。父さんは、いつもと変わらず外で薪を割っていた。
「リードー!風呂が沸いたぞー!」
外から大きな声で僕に言った。
「ありがとうー!今から入るよー!」
僕はお風呂に入って、外にいる父さんと話した。
「父さん。今までありがとう。明日、みんなと旅に出るよ。」
「あぁ。寂しいが頑張るんだぞ。それと、剣の稽古は怠るな。守りたいものがありなら自分ができることはしっかりやっとけよ。」
父さんの言葉が身にしみた。そうだ、僕はみんなを守りたい。多くの人を幸せにするために旅に出るんだ。何事も怠らずに頑張ろう。そう、心に刻んだ時、
「でもな。リード。頑張り過ぎるなよ。人は疲れる生き物だ。休むときは、ちゃんと休むんだぞ。自分が壊れたら守るべきものも守れなくなる。分かったな?」
「わかった。ありがとう!」
僕は、深く頷きながらいった。腕につけているブレスレットを眺めて、みんなのことを思い出していた。
お風呂から上がると、キトと母さんが一緒に料理を作っていた。キトのほっぺに、クリームがついている。つまみ食いをしたな。
今日で母さんのご飯も当分食べられないな。しっかりと食べておこう。
みんなで、楽しくご飯を食べ終わると僕は自分の部屋に行き旅の荷物の確認をした。
よし、大丈夫だ。明日の朝、中央にある木の下でみんなと待ち合わせだ。今日は、ゆっくり寝よう。僕は、キトと一緒に眠りに入った。
つづく。