〜成人の儀〜4話
旅からの学び(たびまな) 成人の儀編 4話
女王様がいるお城が建っていた。お城の周りには、草花が生い茂り魔物ではなく動物たちがたわむれている。
この空間は、時間がゆるやかに流れているように感じる。そのくらい、安心感がある場所だ。
僕は、城に向かって歩き長い階段を登り入口に着いた。
「何者だ!」
森の精霊の門番が問いかけてきた。右手には槍をもっている。
「女王様に会いにきた。質問があるんだ。」
「お主たちは、見ない顔だな。暗闇の洞窟からきたのか?」
「そうだ。」
僕の体を下から上まで、しっかりと見ると森の精霊の門番は、口を開いた。
「良かろう。暗闇の洞窟を抜けて来たものは、女王様に会う権利がある。中に入りたまえ。」
僕たちは、城の中に入り女王の間に辿り着いた。
「あなたたちね。暗闇の洞窟をぬけた者は。あなたの望みはなんだ?」
「なぜか。心がモヤモヤするんだ・・・。このモヤモヤを解決したい。でも、何に対してモヤモヤしているのか自分では分からないんだ。だから、教えてほしい。」
「簡単なことよ。あなたは、他の人に頼ることを『甘え』だと勘違いしている。それが、モヤモヤの原因よ。人を頼るということは、人を『信用する』ことなのよ。」
女王様は、僕の目を見て大切なことを教えてくださった。
「甘えではなく、信用している証!」
この時、僕の心の中で、みんなの顔が思い浮かんだ。みんなに会いたいと強く思った。
「あなたは、竜人を倒す時、一人で倒したのかい?違うだろ?あなたの肩に乗っている魔物と、森の精霊と協力したのだろ?それが、信用よ。」
僕は、頼ることを無意識に理解していたんだ。悩む必要なんてなかったんだ。心がフワフワと軽くなった。
「女王様ありがとうございました。大切なことを教えていただきました。自分の心と考えが一致しました。」
「それなら、良かった。ネクもご苦労だったな。人間の友だちが出来たようだね。」
「ネク?」
僕は、首を傾げた。
「まだ、名前を教えてなかったね!僕の名前は、ネクだよ。宜しくー。」
僕は、ネクと握手をした。キトもネクと握手をしていた。ひとりの人間として少し強くなれたように思う。
よし、『帰還しよう』と心の中でいった。
すると、リードの足元に魔法陣が浮かび上がった。空間転移の魔法だ。まだ、別れの挨拶をしていない。
「女王様、ネク。本当にありがとうございました!」
女王様は、こっちを見て笑顔で手を振っている。ネクも笑顔で手を振っていた。
また、みんなに会いたいな。そう思っていると、転移が始まり気づいたら師匠の家にいた。
みんなも、『成人の儀』が終わった様子だった。
つづく。
ps.他のメンバーの成人の儀は、後ほどサブストーリーという形で載せていこうと思います。今回は、リードの成人の儀をメインにさせて頂きました。
みんなの成人の儀の試練も書いていきますので、その時は、また見てください!
よろしくお願い申し上げます。