〜成人の儀編〜1話
オルデンからの大切な言葉は、しっかりと心に刻んだ。
僕は、成人の儀までに自分のことについて理解することにつとめた。自分のことを知るか・・・。僕は、多くの人に助けられて生きている。だからこそ、多くの人を助けたいと思ったのだ。
師匠のもとで、修行や依頼などをこなす日々を続け遂に『成人の儀』を迎えた。
成人の儀は、それぞれの師匠の家で行われるようだ。
僕たちは、待ち合わせをしてみんなで師匠のところに行った。
「師匠!おはようございます!」
みんなで挨拶をした。みんなの緊張感が伝わってくる。師匠の家の中は、いつもの雰囲気とは違っていた。
魔法陣の中に、ひとつだけ椅子が置いてある。
「おはよう。早速だが、リードここに座ってくれるか?」
「はい!」
僕は、緊張しながら椅子に座った。
「リード。今から空間移動の魔法である場所に行ってもらう。そこで、得たものがあれば頭の中で『帰還します』と唱えるのだ。いいね。」
「はい。」
僕は、息を呑んだ。どこに行くのだろうか。そこで何か成果を得られるのだろうか。不安がよぎる。
「キュル。キュルーー!!」
キトが、僕の頬にスリスリして元気を分けてくれた。そうだ、僕はひとりじゃない。そう思ったとき、オルデンの言葉を思い出した。
『ひとりになるな。みんなを頼れ!』
僕は、顔を上げてみんなの方を見た。すると、みんなはキリッとした目で僕を見ていた。
「リード!俺たちも頑張るからな!」
アクシスが、力強く言った。
「僕も頑張るよ!!ありがとう!」
気が引き締まった。仲間って、本当に大切だな。
「リード。そろそろ行くぞ。準備はいいか?」
「はい!!」
力強く返事をすると、空間魔法が始まった。目の前が、真っ白な世界を通り抜けると、そこに広がっていた世界は・・・。
つづく。