〜幼馴染編〜12話
「旅からの学び(たびまな)」12話
「シュピーーーン!!!」
研ぎ澄ましたかのように、一閃を放った。空気も切るような繊細な太刀筋だった。木は、真っ二つに縦に割れていた。
「なんだ。今の太刀筋は。こんなに繊細に切ることができるのか!」
驚きを隠せなかった。
この時、僕はもっと剣技を学びたいと感じた。多くの人を守るためには、心の成長と剣技も必要だからだ。まだまだ、学ぶべきことがたくさんあることにワクワクしたのだ。
家に戻り、母さんのご飯を食べた。キトは、母さんの椅子の下で木のみを頬張っている。この時のキトは、本当に愛らしい顔をしている。これでも一応、魔物である・・・。
ご飯を食べて、眠りについた。
「リード・・・リード!」
懐かしい声が聞こえる。目を開けると、そこには、オルデンがいた。
「オルデン!!!」
僕は、驚いた。心臓がドキドキしている。
「これは、夢の中だ。縁があってリードの夢の中に入れたんだ。久しぶりだな!リード!元気にしてたか?」
オルデンの声を聞いて、心がほっこりしているのが分かる。
「オルデン・・・。あの時は、本当にごめん。もっと僕が強ければ・・・。」
涙を流しながら、オルデンに言った。涙が止まらず溢れてくる。
「気にするな。リードが生きていてくれたことが本当に心の底から嬉しいんだよ。気にしてくれてたんだね。ありがとう!」
僕は、心の中で少し安心していた。オルデンが、僕のことをどう思っていたのかが凄く気になっていたのだ。
「リード。ここからは大切な話をするね。リードは、成人の儀を終えたら旅に出るんだ。いつもの仲間とね。楽しい旅かもしれないし、過酷な旅になるかもしれない。だから、今から言う言葉は覚えといてほしい。
『ひとりになるな。みんなを頼れ!』気楽に旅をするんだぞ。」
その言葉を聞くと、僕は目を覚ました。そして、すぐにノートにオルデンの言葉を書いた。大切な親友の言葉を忘れたくなかったのだ。
つづく。