〜幼馴染編〜11話
「旅からの学び」(たびまな) 11話
「んー。使えるか分からないけど、俺は使いたいんだ。」
ムドは、凄く自分の気持ちに素直で直感を大切にしている。
「ムドなら扱えるよ!」
僕は、背中を押した。ムドは、一度やると決めたら突き進み続けるので信用していたのだ。ムドの体術の動きは、誰もが真似できるものではないのだ。努力して身につけたものなので、ムドにしか扱えない。
ムドに体術を教えたのは、誰なのか。師匠のところに来る前に体術を習っていたようだ。とても気になる。今度聞いてみよう。
「この弓をください!」
ムドは、笑顔で弓を買った。早く試し打ちをしたそうで体が疼いているのが分かった。
最後は、道具屋にみんなで行った。
「回復薬を買っとこう。何かあったらすぐに治せた方がいい。」
アクシスが言うと、みんなで回復薬をかった。リラに回復をお願いしているが、いつどんな事があるか分からない。念には念を入れるというやつだ。
一通りみんなで買い物をした。買い物が終わると、みんなで食料品のお店に行った。そこのお店で、休憩してから家に帰ろうということになった。
ビュート村で、よく取れる木のみ各種すり潰しをミルクを入れてかき混ぜたものが人気である。その飲みものをみんなで頼み、みんなの夢や、もう少しで行われる成人の儀のことなどを語った。
「僕の夢は、立派な国をつくることだ!」
リードの大きな夢を聞いて、みんなは心を躍らせた。
「僕は、一流の魔法使いになる!」
アクシスの強い思いをみんなでしっかり聞いた。
「私は、ヒーラーだけではなく、もうは一つの職業について『二つの職を持つ者』になる!」
リラの想いの強さに、みんなは応援したくなった。
「僕は、人にも魔物にも好かれる男になりたい!」
人を大切にしたい気持ちは分かるが、魔物にも優しくしていきたいという思いを聞いて、みんなは驚いていた。
それぞれの強い思いを胸には秘め、成人の儀も頑張ろうと誓い各自の家に帰ることにした。
いつも、1人で通っている道を今日はキトと一緒に帰っているので新鮮な感じがした。キトは、僕の肩の上で涼しい風を感じていた。僕は、キトの頭を撫でながら心の中で、こるからもずっと宜しくねと思っていた。
家に着くと、母さんとキトが仲良く料理を作っていた。キトは、母さんと仲良しで家に帰ると母さんの肩の上に乗るのだ。
「あれ?父さんは?どこ行ったのー?」
いつもは、庭にいるのにこの日は姿が見えない。たまに、家をあけて何の用事か分からないけどいないときがあるのだ。どこかでお酒を飲んでいるのだろうか。
「 父さんは、仕事よー。明日には帰ってこれるって言ってたわよー。」
母さんが、キトと料理を作りながら明るく言っていた。美味しそうな香りが広がってきた。僕は、新しく買ってきた剣の素振りをするために庭に出た。
「よし!素振りをするか。」
青く輝く剣に見惚れながら言った。
「 ブン!ブン!」
と剣を振り、薪用の木を目の前に置き精神を整えながら、オルデンのことを考えていた。オルデンが守ってくれたこの命を多くの人を助けるために使うと誓っていたのだ。
すると、剣の周りにあたたかい光が纏ったのだ。僕は、確信した。人のために剣を振るう時に光の魔法が発動するのだと。
目を見開き斬りかかる!!!
つづく。