〜幼馴染編〜1話
これは、緑の山々に囲まれている村に生まれた少年たちの成長と冒険の物語である。
僕はこの村が好きだ。
この村は、空気が気持ちよく朝は涼しい。
毎朝、お気に入りの場所で山を見ながら考えるのが僕の日課である。
ん?何を考えているのかって?それは、『成人の儀のこと』である。
この村は、15歳になると成人となり成人の儀が行われる。今は14歳だから、あと1年後のことである。
この儀は昔からあり、僕の母も父も行ったそうだ。
成人の儀は、何をするのかって?
それは、僕にも分からない。毎年、変わるんだ。ただ、分かっていることは自分のことを確かめる試験があるらしい。
自分のことを確かめるって何なのだろうか。
考えても分からない。
だから、その時まで僕にできることをやろうと思う。今日は、この考えをもとに1日を頑張っていこう。
うん。やっぱりこの場所に来ると考えがまとまるから好きだ。
さぁ、師匠のところに行こう。師匠の家は、丘の上にある。林を抜け坂を登れば着く。今日は、何をするのだろうか。
僕は、10歳の時から師匠に剣術や、体術、魔法、学習など様々なことを教えてもらっている。
師匠のところに学びに行っているのは、僕だけではない。あと3人いる。
あの小さな小屋が、師匠の家である。
「師匠ー。おはようございます。」
「おはよう。今日も元気だな!」
本を片手に温かいお茶を飲みながら言った。師匠は、容姿とは裏腹に少し渋い人なのだ。カッコイイのに、、、渋い。師匠は、26歳くらいでとても若く村のみんなからも慕われている。
「あと1年だな。『成人の儀』の覚悟はできているか?」
「まだ、分からない。自分のことを確かめるって、どういうこと?」
「俺も、リードの年の頃は分からなかったな。そのうち分かってくるさ。」
師匠でも、分からない時があったんだと少し驚いた。
「師匠!おはようございます!」
キリッとした声で挨拶をしたのは、アクシスである。いつも、真実を掴みブレない男だ。
「師匠ーーー!おはよーーー!」
毎日、明るいリラが元気よく挨拶をした。アクシスとリラが一緒に来たようだ。
「おはよう。2人は仲がいいな。」
「そうじゃないよ。家が近いから一緒に来ただけだ。」
アクシスが、少し嬉しそうに言っているように僕は聞こえた。
その時、リラは、師匠の狐と遊んでいた。
名前はルーカスである。みんなは、ルーと呼んでいる。ルカと呼んでいる人もいる。
ルーは人懐っこいのでみんなから可愛がられている。
「おはようございます!!おそくなりましたー。」
慌てて入って来たのは、ムドだ。いつも、この調子である。だが、やる時はやるやつだ要領が良い。
「おはよう。今日もギリギリだったなー。ワハハ。」
笑いながらリラとルーと遊びながら言った。
ムドは、毎朝、家業を手伝ってから師匠の家に来ているのだ。4人の中で一番思いやりの心があるだろう。
この物語は、ある村に生まれ育った1人の少年リードが仲間とともに成長していく冒険ファンタジー物語である。
つづく。