時空の傍観者
突然ですがこんばんは!
わたくしは時空の傍観者の*****と申します!
あ、失礼。
あなたの言語能力では聞き取れない言葉でした。
まぁ、わたくしの名前などどうでもいいでしょう!
今回はあなたとお話がしたいので時を止めてわざわざ来てみました!
おっと、今喋れるのはわたくしだけです!
大丈夫大丈夫、あとでちゃーんとあなたのお話も聞きますから。
ですので今はわたくしのお話を聞いてください!
わたくしが時を止める前あなたは真の平和とはどんなものかと考えていましたよね?
どうしてわかったの?といいたそうな顔ですね!
さっきからずっと見てましたよ、あなたが悶々としていたのを!
な、の、で、今宵は真の平和とはどんなものかお話したいと思います!
ではその前に質問ターイム!
今は喋れますので疑問に思ったこととかはどんどん聞いてください!
―――なんで俺のところに来たんだ!?
なんとなくです!
―――というか時空の傍観者って何だよ?
えーっと、名前の通り時間軸や空間、あとは世界とかをこえていろんなものを見ることだけできる。
そんな職業?です!
―――じゃあこの世界以外にどんな世界があるんだよ?
んー、一応これから例をお見せする予定ですが、たとえばですね・・・。
あなたの世界でいうふぁんたじーな世界とかえすえふの世界とかいろいろ、それこそ無限にあります!
―――なんかもう喋る気がなくなってきた。
それは好都合!
では、お話を再開しますね!
まず真の平和のまえに普通の平和についてすこしお話しましょう!
平和とはどういったことをさすのでしょうか?
答えは簡単!
ぱっと見争いがないことです!
あくまでぱっと見たときは争い事がない様に見えることが平和なのです!
なのであなたの世界は一応平和といえるでしょう!
では、真の平和とは?
ここからはあなたの意見も聞きたいのであなたも自由に喋れます!
んで、真の平和、聞こえはいいですが実際はひどいことだったりするんですよ?
―――なんで?
言葉だけだと説明が難しいので・・・実際に一つの例を見ていただきましょう!
ちょっと待っててくださいね!
えーっと、どの世界がいいかなぁ・・・。
よし、今から他の世界へ通じる門を開きますよ!
えい!
ではお入りください!
―――通じた先は危なくないのか?
大丈夫大丈夫、わたくしが保障しますから!
とうちゃーく!
ここが真に平和な世界です!
―――地球と変わらないじゃないか。
地球?ああ、あなたが住んでいる星のことですか?
たしかにあの星とほとんど変わりはありません!
山があったら谷もあり、海があったら大地もある!
川があって森があって平原があって・・・なーんも変わりはありません!
でも、実は違うところがあるんです!
それは何でしょう?
―――?
ほら、耳を澄ましてみてください!
目を瞠ってみてください!
ここは森ですがなにか気づきませんか?
―――動物の鳴き声が聞こえない?
そうです!
ここに、この世界に動物、いえ、生き物はいません!
そこらじゅうに生えている草木も生きていません!
あなたの世界でいう仮想空間のようなものです!
なーんにも変わりがない!
ずっとずっとこのまんま!
でもこの世界は真に平和な世界なのです!
―――なんで真に平和な世界なんだ?
真の平和とは犠牲も争い事も不幸も無い、つまり負の面が無いということ!
そして生き物は必ず何かの犠牲の上で生き、何かのために争う!
人間だって他の生き物を食べてしょーもないことで争うでしょう?
人間以外の動物とか植物だって同じ、なにか犠牲にしてたりするんです!
私は考えました、本当に平和な世界ってどんなのだろうと!
そして知り合いと協力してこの世界を創りあげました!
真に平和な世界とはとてもさびしい世界なのです!
―――ほかに考え付かなかったのか、あと知り合いって?
じゃああなたは考え付くんですか?
真の平和とはどんなのか考え付くんですか?
知り合いについては秘密です!
―――・・・。
ほら、考え付かない!
あくまで一つの例にして一つの可能性にしか過ぎないとは言っておきますが、これこそが真の平和なのです!
解りましたか?
―――納得がいかない。
そうですかー・・・。
まあいいでしょう!
考え方は生き物それぞれ!
無理に考え方を他の生き物に押し付けるのはよくありませんから!
では、わたくしが話したいことはもう話し終えたので突然ですがさようなら!