第三十一話 デート。それは……
あの三話は消しました。
行き当たりばったりだからこそ楽しいんだってことに気づきましたし、コッチの方がやりやすいですからw
デート。それは男と女が自分の好感度を上げるために行う行為。
デート。それは男の期待と女の陰謀が渦巻く真っ黒なイベント。
デート。それは女を喜ばせるために男の財布の中身がやせこけるイベント。
デート。それは女がどうやって自分の男に貢がせるかを考える時間。
つまりはデートというものは裏切りと陰謀とその他諸々がグチャグチャに混ざり合って出来上がるリア充とは名ばかりの詐欺師達のイベントなのだ。
……決して羨ましいと思っているからの発言では無いと言うことだけは言っておくとしよう。
デートというモノについて何故考えているのかというと、ユリアがあの二人にわざわざ見せびらかしたことから始まる。
モチロン最初は良かったんだが、ドンドン雲行きが可笑しくなり修羅場ってしまったんだ。
おお、女って怖い怖い。
「で、何故に二人と一緒なのかは今は気にしないでおくとして、だ。お前等には色々やってきたと思うんだが、そこはどォだ?」
「関係ないねっ!見せびらかされたら行きたくなるんだよっ!」
「おま……。まァ、別に良いんだがよ。飛鳥からも有給みたいな感じで行ってきなよって言われたし」
飛鳥のニヤニヤした顔がうざかったが、俺にはアイツをどうする手もねェからしょうがなくアイツが飲もうとしてたコーヒーに塩を大量に掛けておいた。
ついでにマグカップのとってのところにゲル状のナニカを薄く伸ばしておいた。
手が滑って自分にかかれば良いのに。モチロンアイスコーヒーにしておいた。魔法って便利だよな。ばれねェし、呟くだけだし。
俺の逆襲は取り敢えずおいておいて。
「中々に惨いコトするね、葵」
「そうか?手を出せないなら他の所を出せばいいじゃねェかの精神でやっただけなんだがなァ」
「僕だったらコーヒーに小麦粉を入れるねっ」
「俺は飲めるか飲めないかの瀬戸際をうろちょろする感じにしてんだが、レイナールのは完全に吹くパターンの悪戯だな」
「流石レイナちゃんだね」
「えへへっ。それほどでもーっ!」
「「褒めてない」」
うむ、なんかこのやり取り久々の気がせんでもないな。まァ、最近はずっと部屋に籠もって仕事ばっかしてたし。
つか、俺も慣れたよな。昔だったら半日机の前に座ってたら気が狂ってただろォしなァ。俺もなんだかんだで成長してるってことだな。
成長を実感出来るって素晴らしいことだと思うんだよな。
まァ、それはそれとしてリアはリアで成長してんだよな。何処がとは言わないが。目で見た感じでしかないんだが。
「葵、最近私の方見てるなーって思ってたらそんなこと考えてたの?」
「いやさ、仕事ばっかりシンドイなァって思ってふと見たらリアが居てさ。ふと気づいたら見てたんだよ。言い訳はしねェ」
「男らしいねっ!」
「だろ?」
「だろ?じゃないよ、全く。別に良いけどさ」
「良いのかよっ」
見てた俺が言うのもなんなんだが、良いのかよ。
一応思春期が薄れては来ているんだが、そこそこにはあるもんで無意識のうちに見てしまうんだよなァ。
あれか、男の悲しいさがってヤツなのかな?
「旦那ってば僕のは全然見てくれないのにねっ」
「……」
さて、取り敢えずアッチ風のデートをしてみるか。……まァ、実際にしたことはねェんだがな。サブカルチャーによって学んだことでなんとかなる……と良いなあ。
取り敢えずはああいうゲームとかでまず行くのは遊園地やらなんやらなんだろうが、残念ながら此処にはそんなものはねェ。
なら、どうする?ってなった時に思い浮かぶのが劇なんだよな。でも、コイツ等が劇で楽しめるかって自問自答したらそうでもねェ気がすんだよな。
ふむゥ……。
「葵、私たちは何処でもいいんだよ?葵と一緒ならさ」
「なにそれ言ってみてェセリフ過ぎんだろ。まァ良いわ。取り敢えず回るか」
「うん、それで良いよっ!でも、ユリアにした以上に僕たちにしてよねっ?」
「ん?嫉妬か?」
「嫉妬に決まってんじゃんっ!」
「……おうふ。そんなド直球に来るとは思ってなかったぜ」
割と毎回毎回ド直球ではあるんだがな。
こんな人通りの多いところであんな大声でいうなんてな。小説とかだったら『!』がついているんだろォなと思ったり思わなかったり。
そんな考えるだけ無駄な考えは放置しておいて取り敢えずは街中を一緒に歩くことにする。
はたから見れば街を視察しているような感じだよな。なんせ街の色んな所でレイナールが叫んだ時から色んなところの声がでっかくなったからな。
俺の名前を叫ぶヤツも居れば、二人の名前を叫んで告白していやがるヤツもいる。
これには二人も苦笑いってな。
「俺の女に告ってんじゃねェ!」
「……なんだかんだで旦那も凄いよねっ」
「いや、先ずお前等の行動があったからのこれだからな?」
「それでも実行するって凄いよね」
「ねーっ」
「ねーじゃねェよ。ま、兎にも角にも早く行こうぜ」
「うんっ」「うん」
後ろが軽く跳ねているだけでテンションが高く感じられるのはなんでなんだろうか。
自分のテンションが低い時に『俺ってば天才ねっ』て言ってみると少し元気が沸くように感じられるのと同じなんだろうか。いや、同じではないんだろうけど。
「あ、そういえば鯛焼きくったことあるか?」
「鯛焼きはないよっ。大判焼きならあるけどねっ」
「いやさ、向こう居た時に何が楽しみだったかって帰り道に食うカスタードの鯛焼きだったんだよ。だから、お前等とあの美味しさを分かち合いたいと思ってだな。と言うわけで、帰ったらつくってやんよ」
「ほんとっ?楽しみだなぁっ」
「私も楽しみだよー」
鯛焼きはなんで鯛焼きって言うんだろォな。石焼き芋のことをどうして焼き石焼き芋って呼ばないのか不思議に思うくらい不思議だわ。
石焼き芋って石で焼いているから石焼き芋なんだよな。なら、その石に熱を通す為に石を焼くんじゃあねェのかみたいなことを考えてたら不思議でしょうがねェんだよな。
「んじゃあ、取り敢えず回れるだけ回ろうぜ。時間は有限だからな」
そう言えば俺ってば人間だから死ぬのコイツ等より早いんだよな……。ふむ、なにかしらの手を考えるべきか、俺を忘れて違う誰かと幸せになってくれ的な遺言を残すべきか。
多分、俺が悪魔化したら解決するんだろうが、微妙に人間の身体に愛着が湧いているからなァ。
「旦那が死んだら僕も死ぬけどねっ!」
「自信満々に言ってんじゃねェよ、馬鹿」
「馬鹿って言う方が馬鹿なんだもんっ!先のこと考えたって意味無いじゃん!」
「いや、まァ、そうなんだが」
「因みに、レイナちゃん既にそれについては手を打ってるんだよ」
「ちょっ!リアっ!!」
「ふふっ。ごめんごめん」
……もしかして俺が食ってる飯の中に何かしらの薬品を入れて良い感じの年になったら悪魔になるように調節してるとかじゃあねェよな?
いや、あり得そうで怖くてしょうがないんだが。
「ぎくっ」
「口に出してんじゃねェよ、馬鹿。もう、レイナールなんか馬鹿で良いわ。阿呆じゃなくて馬鹿な?コレ重要」
「え、そうだったんだ。てっきり不老不死にでもするのかなって思ったんだけど」
「リア、それ駄目だから。色んな意味で駄目だから。生命の冒涜やらなんやらで絶対にしちゃあいけないことだからな?」
それに不老不死って多分辛いよな。置いて逝かれて老いて行かれて自分だけ違うってことを自覚するってキツイだろ。
「でも旦那為なら世界だって捨てられるよっ?」
「因みに私は壊したって良いよ」
「それなら僕は……」
物騒過ぎんだろ……。




