第十三話 バカな家臣達を掃討ですけど、何か?-後編-
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クソッ!クソッ!
アレもこれも全てあの下等な人間が魔王になったからだッ!!
何故他の奴らはあの下等な人間が魔王になるコトに反対しなかったんだッ!?
「畜生めッ!!」
「残念、貴様にもう逃げ道は無い。すまないな、手が滑ってしまって」
「ぎゃあああああ!?」
○
……今、物凄く惨い死に方を見た。
手が滑ったという言葉と同時に男としての弱点に向けて魔法を撃たれ、悶絶しつつ意識がなくなっていき、意識がなくなってから脇腹を蹴り上げ強制的に起こして……の無限ループ。
……途中で死ぬことを望む死に方って一体誰得なんだろうか?
そしてリアよ、俺は一応生かして持ち帰ってくれって言った筈なんだが。
「レ、レイナールちゃん、あの人リアお姉様だよね?」
……そして飛鳥は本当に義姉妹の契りを結んでいたという。
ある程度予想通りだったんだが、うむ。
現実でこういう物を見ることになるとは、本気で驚きだ。
俺が厨二乙っていいつつ勇者になってしまった時よりも、俺が魔王をデコピン一発で倒してしまったときよりも驚きだ。
「あ、あははは。い、一応作戦の誤差の範囲に入ってたんだけど……」
「素敵だよ!」
「飛鳥ッ!?」
最近飛鳥が更に可笑しくなってきている気がする。
なんか少しづつゆるい百合方向に進んできているような、そんな気がする。
「因みにリアは俺ンだから。絶対に誰だろうと渡さねェ」
「更に言わせて貰うと、ただいまリアと通話中だよっ?」
……コンチクショーがッ!!
何で運悪く変なタイミングであんなコト言ってしまったんだよ、コノヤローッ!!
「それが天命って奴だよっ!」
「あと私は葵さんからリアお姉様を盗る気なんてないよ?私は三人の幸せを願っているから……」
「なんでうっとりした顔してんだよ!?」
……本気で早くどうにかしねェと、帰った後取り返しの付かないことになってんじゃねェかなァ?
お兄さん心配だよ、本気でな。
「……アレ?ま、良いか」
「……ふふふふふ」
何故かレイナールが笑っているが、俺は気にしないことにした。
俺は気にしねェ、絶対ェに気にしねェ!
「ンで、次はどォすんだ?レイナールよ」
「次は……」
○
……最近盗賊が増えてきた。
どうやらいろんな国の財政状況が悪くなってきているらしい。
コレはもしかしたら三國志の漢みたいに勇者召喚が唯一出来る国として長年君臨してきたアヴァロンも崩壊するかもしれないな……。
最近はゴブリンに盗賊のアジトが破壊されているなんてこともなく、俺達勇者パーティが少しづつ少しづつ盗賊から村人や商人を助けたりしている。
それにしてもあのゴブリン達はなんだったんだろうか?
村人、商人、子供、女性といった盗賊以外は全員助けるという自称正義の味方の俺達よりずっと正義を実行していたと思う。
「……よし」
「勇者様……じゃなかった勇助様」
「だから様は要らないって」
「そうは行きませんよ」
そう言えば言ってなかったな。
あの最強の騎士(笑)のヴァイスは本国に強制送還された。
アリアが何か手回しをしたようだ。
そして代わりとして新しく魔術師が入った。
未だ名前は知らないので勝手にナナシと呼んでいる。
……マハードと呼ぼうと一瞬だけ頭によぎったのは秘密だ。
ンで、姫様と言うと……。
「……なんで私がこんなコトをしなくちゃいけないの?私は姫なのよ……?」
「……はぁ、またですか」
「ま、しょうがないんじゃないか?姫様はずっと箱入り娘だったんだしさ」
「……それでも、もっと他に出来ることがあるんじゃないでしょうか?」
それにしてもナナシは働いてくれる。
黒いローブを来て歩いているところを見ると現代なら多分通報されていそうな見かけだが、喋ってみると案外良いヤツで、色々なコトを教えてくれる。
ただ殆ど喋らないので怪しさMAXなんだがな。
「……どっかの親善大使みたいだな」
「へ?」
「あ、ただの一人言だよ」
姫様は未だ世界が広い視野で見れてないだけなんだろう。
多分見ることが出来たらこういう状態にはならない……と思いたい。
俺は未だ信用しているからな、姫様のことを。……信頼は絶対にしないけど。
「あ、だいじょうぶですか?」
「……有り難うございます!有り難うございます!」
「気にしないで下さい。これも当たり前のことですから」
「おお、勇者様……」
……よし、あともうちっとだけ頑張ろう!
そしたら毎日の楽しみのアリアの飯だ!!
○
……何か凄く人格者になったな、おい。
ま、これはこれで面白くはあるんだが……。
「それにしても凄いコトになったなァ……」
「ふふふ、きちんと炙り出しましたよ」
「流石レイナールって所か」
今はどうなっているのかというと、先ず首謀者は二人生け捕りにした。
本来は三人生け捕りの筈だったんだが、リアがちょっと事故ってしまってこうなった。
事故ならば仕方ねェよなァ?
でだ、アイツ達の出陣に手を貸した奴を十五人ほどを生け捕り、アイツらに付き従った兵共百人を生け捕りにした。
ここでは事故が起こらなくて本当に良かった。
あんな男からしたら地獄絵図でしかねェものをもう一度見ないで済んで本当に良かったと思うぜェ……。
「それにしても俺ってそんなに人望ねェのかなァ……?」
地味に傷つくなァ、真剣で。
つか、最初の一人以外リアを目の前にして何も言わなくて良かったなァ……。
取り敢えずは俺はテメェ達の無事を祝うよ。
「いえ、兵は旦那は知らないと思いますが二十万ほどいますから」
「……え?」
「旦那が魔王になってから、市民達が徴兵せずともドンドン兵になりにくるのですよ」
ちょっと待てや、コレは想定外やったぞ……。
先ず二十万ってところにツッコムとしよう。
この国の住人は確かに百万超いるが、五分の一も俺の為に兵になりにくるって可笑しくねェか!?
ンで次に徴兵ってところだが、え?この国徴兵してたん……?
「よって旦那の人望は凄いですよ?」
「おおう、なんという……」
本気で驚いた。
飛鳥がリアと義姉妹になってたことより更に驚いたぜ……。
「つ、つまり俺の元から離れていった兵は……?」
「ええ、二千分の一に過ぎませんよ」
「わァお……」
うむ、これはこの件が終わったら祭りでもやるかねェ……。
……っと、忘れていた。
そういえば、今は他の国がなにやら崩壊寸前らしィな……。
コレは荒れるか?……ま、荒れたとしても俺はこの国を護るためなら前線にツッコンで行くがな。
例え其処で勇者に会っちまったとしても、な。
「シア、居るか?」
「……此処に」
「ちょっくら他の国の偵察を頼む」
「……御意に」
……戦争に備えなきゃなんねェのか。
俺としては絶対ェに戦争なんかしたくねェんだがよォ……。
「レイナール、ちょっとコレが終わったら頼みたいことがある」
「旦那の頼みなら、例え火の中!布団の中ってね!……だからそんなに自分を追い詰めちゃ駄目だよ?」
……急に調子を戻しやがって。
少しばかり眼から汗がでちまって居るコトは俺一人だけの秘密だ。
「……解ってるっての」
「ならいいよっ!……では、ラストスパート頑張りましょうか」
「頼むぜ?」
「モチロンですとも」
○
「それにしてもあの夢に出てきたのは一体……?」
「前に言っていた?」
「うん、ついさっきふと思い出してね。『助け出せるか?』って挑戦的だったし、今思い出したらお前何様?って気分になるんだけどさ、あれって助けて欲しいっていうSOSだったんじゃないかってさ」
……ま、助けられるものなら助けたいし一寸探してみるか!
ま、今は飯を楽しもう!!
人物紹介ファイルNo.02
名前:リア・デモン・サタン (自分でも安直すぎたなと後悔)
職業:元魔王、現魔王の嫁
容姿:燈髪灼眼。顔は最上の上。髪形は基本はポニーテール。
服装:普段は白いYシャツにジーパン。因みに上二つのボタンを外している。
性格:葵至上主義、世話好き、敵には冷酷
最初はレイナールと立ち位置が逆だったリアさん。書いていてレイナールもヒロインとしてありだけど、どちらかというとコッチの方が好みのヒロインの形だな、と思いメインヒロイン化。若干ヤンデレ臭がするが葵はヤンデレでもリアなら良いかと思っている。リアさんのモデルは……レイナールと纏めて活動報告で書きます。此処で書く勇気がありません(笑)




