No.06 力の神
九州に到着した瞬たちに3人の男が襲い掛かる。そのうちの一人は以前瞬を追ってきたガントレットを着けた大男だった。大男は笑いながら瞬たちに語りかける。
「よぉ。ワリィがお前らはここで死んでもらうぜ。さぁ、誰からやる?」
挑発する大男に対して力也が構える。
「瞬、燈さん。あいつは俺がやります!二人は他をお願いします!」
「分かった。瞬君、いける?」
「了解です。」
力也が大男に問う。
「お前、名前は?」
「あ?俺か?俺は壊アルゴノーツの壊し屋だ。そーゆーおめぇは…ん?」
壊が聞き返そうとすると力也の肉体が次第に増大していることに気づく。
瞬間、力也は瞬時に間合いを詰め、拳を振り下ろす。振り下ろした拳は地面を割る。壊は間一髪でこの一撃を躱す。
「おめぇは…”アトラス”か!」
工藤力也の能力は周りに影響を及ぼさない。力也が支配するのは自分自身の筋肉。鍛えた肉体を効率よく蓄え、鍛えれば鍛えるだけ際限なく最高効率でパワーをつけていく。戦闘時にはその全てを開放して人間の限界を超えたパワーを発揮する。自らの肉体のみを使用した肉弾戦に特化した”支配者”。
ー故に”力の支配者”
戦闘が開始される。お互いの拳は突風を生み、地面をえぐるような一撃のぶつかり合いだった。
力也が戦闘を開始したころ、瞬と燈もまた戦闘を開始していた。瞬は木の枝を手に取り、ドスをもった青年と対峙する。
「”硬化”!」
ガキンッ
硬化した枝でドスとぶつかり合う。しかし、男の俊敏な動きに次第に追い込まれていく。
(なんだこの動き。身体能力が普通じゃない!)
瞬、燈と戦闘を行っているのはアルゴノーツに雇われた殺し屋だった。彼らはアルゴノーツ製の強化スーツによって身体能力を強化して”支配者”との戦闘を行っていた。それにより瞬は次第に追い詰められているのだった。
勝利を確信した殺し屋は瞬を追い込み、ついにドスを胸に突き出した。しかし、そこで瞬の口元が緩む。
「"急成長"」
「なんだと!?」
突如男の体にツタが巻き付き、動きを封じる。
「誘いこんだんだよ、柔らかい地面のほうが植物の育ちがいいからな。」
瞬の能力は植物の成長、退化、硬化だった。今の戦闘で瞬は追い込まれながらも植物の成長しやすい場所へと敵を誘導し、見事に敵の身動きを封じるのだった。
「クソッ!なんなんだお前は!」
「俺は植物の”支配者”。与えられた名は…”苗の支配者”!」
そのままツタを硬化し、完全に身動きの取れない状態にする。こうして瞬は初めての戦闘で何とか勝利を収めた。
「瞬君!よかった、大丈夫だった?」
燈が敵を抱えて瞬の所に駆け寄ってくる。燈も無事に勝利したようだ。
「燈さん!よかったです。俺も何とかなりました。…あとは力也さんですね。」
「うん。すぐに行こう。」
こうして二人は敵を拘束して力也の方へと急ぐのだった。
***
一方、力也と壊は激しい戦闘を繰り広げていた。
「へっ!すげぇな!Airでぶん殴っても倒れねぇなんてよ!!」
「こっちのセリフだ!頑丈なやつめ!!」
お互いの拳が当たるたびに人体のぶつかり合いとは思えないような鈍い音が鳴る。激しいパワー同士の打ち合いはさらに激化していく。
「なぁ、アトラス!どっちが先に倒れるか燃えてくるなぁ。」
「ちっ、こんなところで負けられないんだよ!」
そこに瞬と燈が到着する。
「すごい戦いだね。ここまでビリビリ来るよ。」
「ですね。…くそっ!付け入るスキが全くない…!」
その激しい漢の打ち合いに二人はただ見ていることしかできなかった。




