No.04 パルテノン
大地が割れ中から巨大な姿をした要塞が姿を現す。あまりの光景に瞬は呆気に取られている。
「これがアジト…!」
それを見て藍田はほんの少し誇らしげに言う。
「驚いたか?ここが”タイタン”のアジト”パルテノン”だ。僕たちは外で生活するわけにはいかない。だから必要なモノも施設もここに揃っている。さぁ、入るぞ。」
(外で生活するわけにはいかない…か。)
家族のこと、友達のこと、そして琴葉のことを思い出して瞬の表情が再び曇る。
「すまない。余計なことを言ってしまったな。」
「いえ、すみません。」
「ここにも沢山の仲間たちがいる。それに”アルゴノーツ”を倒せばきっとまた大切な人に会えるさ。」
「…はい。」
***
”パルテノン”の中に入った瞬は藍田に連れられて”タイタン”のボスと話をしに行く。
「まずはうちのボスに挨拶に行く。ついて来い、瞬。」
「ボスってどんな人なんですか?」
「安心しろ、怖い人じゃない。後は会ってみれば分かる。…さぁボスはこの部屋だ。」
藍田がドアをノックする。
「失礼します。新人を連れてきました。」
「おう!ご苦労様、よく連れて帰ってきたな。」
扉を開けると、180cmは超えている長身の男が待っていた。優しい雰囲気の顔立ちに金髪のストレートヘア、目はぱっちりとしていてかなりの美男子といえるだろう。
「初めまして。俺は天野 瀬鳴。好きなように呼んでくれ。」
そういって瞬に対して手を差し出す。
「初めまして、稲波 瞬って言います。よろしくお願いします。」
瞬も挨拶を返し、手を握る。
(なんかわかんねえけど、すごいオーラを感じる。)
握手を交わした後、天野は優しい笑顔で瞬に話を始める。
「零からいろいろと聞いてると思うけど、俺たちは”アルゴノーツ”と呼ばれる敵と戦っていかなくちゃいけない。”タイタン”はそのための組織だ。」
「はい。分かってます。」
「ただ、戦いたくない者に無理に戦いを強いるつもりはない。それでも、いざという時のために力の使い方はちゃんと教える。その後どうするかは自分次第だ。実際に現場に出ないで”パルテノン”から後方支援をを専門に行ってるメンバーもいる。」
「そう、ですか。すみません。俺はまだ自分がどうするべきかも分からなくて。」
「大丈夫。ゆっくりと考えていけばいいさ。」
そう言って天野は瞬に優しい笑顔を向ける。その後パチンッと手を叩いて話を続ける。
「さてさて、じゃあまずはこれから瞬に力の使い方を教えてくれる先生に会いに行こうか。」
「先生ですか?」
「そ、先生。」
ニヤニヤしながらそう言う天野に瞬は困惑しながら付いていくのであった。
***
「じゃん!この娘が君の先生の西条 燈ちゃんです!」
そう言って紹介されたのは、身長は瞬より少し低いくらいで肩に少しかかる綺麗な赤い髪をした女性だった。年は大学生くらいだろう。
「瀬鳴さん!なんですかその紹介は。えーっと瞬君、だよね?燈です。よろしくね。」
「ハイッ!よ、よろしくおねがいシマス!」
予想外の先生に瞬も緊張で固くなる。年頃の男子高校生に少し年上のお姉さんというのは効果抜群というものである。そんな瞬の様子を見て天野はニヤニヤしながら瞬に小声で耳打ちする。
「惚れてもいいけど、特訓はちゃんとするんだよ。」
「何言ってんですか!!惚れるなんて…!!!」
小声で話を続ける2人に燈が割って入る。
「二人ともなにこそこそ話してるんですか?」
瞬は慌てて返す。
「な、なんでもないです!特訓よろしくお願いします!西条さん!」
「燈でいいよ。さ、じゃあ基礎からやっていこっか!」
緊張で体が固くなりながら瞬は力をうまく使いこなすための特訓を燈に教わるのだった。




