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お風呂に入ってホカホカの私は、ただいま夢見心地です。黒猫メイド様に案内された風呂は、タライで身体を拭くだけだった私には、感動してしまうぐらいだった。浴槽にお湯があり、洗う場所がある。シャワーは無くても、石けんがある。久しぶりの石けんに洗いまくったのは言うまでもない。
そして私を感激させたのは。
黒猫メイド様が背中を洗ってくれた事!プニプニの肉球で!いや、本当はタオルでこすってくれたのだが、プニプニの肉球はタオルなどでは隠せない。タオルの端から感じる肉球。これを幸せと言わず何と言う。
そして幸せの絶頂の私にもっと上に登れといってくれたのは。
熱いぐらいのお湯に浸かり、ほへ〜と顔と身体をゆるめまくりながら、黒猫メイド様をガン見していたら、黒猫メイド様が視線を下げて。
「…そんなに見られたら、恥ずかしいです。」
恥じらいながらそのセリフを言った時、私、鼻血を噴くかと思った。…やばい。理性が切れそう。鼻を押さえて思う。私、こんなに幸せで大丈夫?まだ幸せの残高ある?私の人生のピークってここ?
鼻を押さえて現実逃避すること数分。やっと我に帰る。私、悪魔。悪けりゃ殺されるとこ。
幼女だが、いい人生だったぜ。本当でそう思った。…私チョロいかもしれない。でもいいの。幸せなんだもん。
黒猫メイド様に手を引かれて、神父様のところに戻る。本当は案内してもらうだけだったが、私がのぼせた…いや、鼻血をこらえるためにお湯に浸かりすぎたせいでふらふらしていたら、黒猫メイド様が手を引いてくれたのだ。…手が、不埒に動くのを許して欲しい。私、幸せを長引かせたいのだよ。
お風呂からの通路には、扉がいくつもあって黒猫メイド様に何の扉が聞いたが、プルプルと首を振った。…かわいい。私、何も聞かないわ。目を細めて私を褒めてくれる、優しい黒猫メイド様に私、心を撃ち抜かれております。
黒猫メイド様は、どこかに目印があるのか一つの扉をノックした。
「はい。どうぞ。」
この低音ボイスは。扉を開けてくれた金色執事服ワンコ様。黒猫メイド様のスカートの影から私が顔を出すと。
「お嬢様、おかえりなさいませ。」
にっこり微笑んでくれた。…あうう。カッコいい。お風呂でほてった顔をもっと赤くした私は、スカートに顔を押し当てて隠れる。それを微笑ましく見ている金色執事服ワンコ様と黒猫メイド様。
そしてその姿を、なんとも言えない顔で見ている神父様。…神父様を、無視しているつもりはなかったが、空気的に入れなかったらしい。なんか、すまん。神父様。




