表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
正しい吸血鬼のなり方  作者: 冬月 葉
32/44

32

 初めて肉球に触れた。犬様の毛並みはツヤツヤで肉球は、暖かくプニプニしていた。前世の夢が叶って感激している私を、犬様は優しく見守ってくださっている。…できるならば、毛並みの豊富な頭から背中にかけて撫でてみたい。 

 キラキラした目が、欲望にかられてギラギラした目になっていくのを、神父様が止めてくれた。…やばい。セクハラをしてしまうところだった。…食欲もやばいが、願望が目の前にあれば私は痴漢に成り果ててしまいそうです。

 必死に手を離す。名残惜しく指先が震えるのを許してほしい。


 「もう、よろしいのですか?」


 腰がくだけそうな低音で、からかうように言う犬様は、超絶カッコよかった。…トキメク。もう、惚れてまうやろー!顔を真っ赤にする私。…神父様が、ぽつんと私たちのやりとりを見ていた。…すまん。神父様。あなたより犬様にドッキュンです。 


 「…あの、もういいかな?」


 神父様のためらいがちの声にハッと気づいた。


 「はい。すみません。」


 醜態を見せてしまった。いや、でも仕方なくない⁈だってもふもふにいい声に執事服だよ。耐えられなくない⁈…わかっている。逆ギレです。


 「では、お食事とお風呂。どちらになさいますか?」


 「私は、食事を。彼女は、」


 チラリと私を見る。私が希望を言っていいのかな?神父様を見上げると小さく頷きうながされた。


 「…私は、お風呂をお願いします。」


 身体の不快に気づいてしまえば、耐えがたい。血の匂いも気になり始めた。…血を飲んだ姿のまま着替えもせずにシスターにもらったマントをはおっただけ。血を吸ったワンピースに聖水が染み込んでマダラになっている。…小汚いわ。私。


 「お嬢様に、案内をつけますね。」


 お嬢様なんて、恥ずかしい。あーもう。いい声で言わないで。黒いつぶらな瞳を細めないで。ガン見しちゃうでしょ。ポフポフと肉球を叩いてかわいい音がする。ススっと出てきてくれたのは。


 ツヤツヤな真っ黒な毛並みの猫様。しかもメイド服。二足歩行。前足には犬様より小さくピンクな肉球。


 えっ。夢見てる?私、生きるか死ぬかだったよね。前世二番目の夢が、今ここに。


 「っ、握手してください!」


 黒猫メイド様に、思いっきりオタク全開で握手を求めた私は悪くない。…たぶん。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ