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正しい吸血鬼のなり方  作者: 冬月 葉
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 聖本堂がどこにあるのか、説明を受けていない。というか、こんな小さな子供に話した所で、孤児院育ちで、見るからに小さくどんくさい子供に話した所で、わかるはずがないと思っているのだろう。…まったく反論できない。私の育ち方はダンボールどころか、コンクリートの箱に入っていたような、外の日差しを浴びる事もできず、走りまわる事など一切ない、箱入り娘というよりも缶詰娘。


 孤児院の外に出る事さえなかった私は、この国の名前さえ知らない。


 今更ながら、反省している。どこまで、考え無しだったのかと。 


 神父様が、駅から駅に乗り継ぎ少し歩いたところの支部に泊まると言われた。夕暮れ時で、人々は足早に自宅に帰っていく。見た事のない建物がいっぱいあって、キョロキョロと目移りしてしまう。店舗と思われる建物にも窓があるにはあるが、ガラスの透明度が低く人がいるぐらいしかわからないし、なんの店かを示す看板ぐらいしかない。だが、他の店舗と大きさが違い過ぎる、重厚な威圧感のある建物に、シスターの持っていたペンダントと同じ、太陽をもしたマークが木製の立派な玄関の扉に彫られていた。…えっ、ここが支部?私、入っていいの?


 宿の扉の太陽のマークをを押して、中に入ると、神父様の格好と同じ服を着た人たちが、男も女も、忙しそうに働いている。


 「日の光のおもむくままに。遮るモノの無き使命のままに。」

 

 私を連れてきた神父様が、片足の靴の底をカツンと鳴らし、両手の指を組み合わせ一つにして、口元に寄せ、目をふせる。


 そうしたら、その場にいた全員が、一斉に同じポーズをしてしている。その姿はまるで、警官の敬礼のようにもみえた。


 もしかして、神父様の組織って、大勢の人が所属している?太陽のマークは、組織のシンボル、もしくは、信仰している象徴なのでは?

 …私、にぶいのか。頭を働かせていなかった事を反省する。

 

 それと同時に、悪魔というモノが多くいて、だから、大勢の人がこの組織にいる。


 という事は、私のような悪魔は、他にも存在している。…私は、一人じゃないのかもしれない。 


 その考えは、とても甘く、そして罪深く思えた。


 


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