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正しい吸血鬼のなり方  作者: 冬月 葉
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 もう、ここにはいられない。それだけは、はっきりしていた。


 神父(新人さん)は、私が知らない方法で上司と連絡をとったらしく、私を連れて聖本堂に帰るらしい。隣の部屋で声を低めてシスターと会話をしていたが、私には筒抜けだった。本来ならば、獣型の悪魔ならすぐにでも殺処分。弱らせたモノならば、研究対象として持ち帰り色々と実験やら、か…解剖されたりするらしい。ガクガク。ブルブル。私、どうなる⁈


 私のような、完全ない人型で、聖水を呑み干して満足そうな感情を持ち、聖水を美味いと感じられる味覚があり、血を吸ってしまった事をシスターに謝り、泣いてしまうような悪魔は、いなかったらしい。

 話が終わり私の独房に入って、私に触れる事を恐れるように自分の片腕をつかみ、私をに視線を向ける事無く言う。


 「君を聖本堂に連れて行きます。」

  

 神父(新人さん)は、言葉少なくこわばった顔をして私に言った。私に拒否などできるはずもなく、うなづくことしかできなかった。


 私の中で、今世の私が、隙をみて逃げろという。夜は私の味方だと。私のした血を吸うという事実は、だだ、生きたかった本能に従っただけだと。私は悪では無いと。…生きるために、喰った。それのどこが裁かれなくてはならないのだと怒り出す。


 私の中で、前世の私が感じるのは、居心地の悪さだ。喰った時の満足感と甘さと幸せは、シスターに見られた際には消え去り、化け物を見る瞳に、凍りつく。

私は、ここにいては、いけない。それだけは、はっきりとわかってしまった。…でも。


 私は、どこに行けばいいのだろう。


 一人、迷子になってしまったみたい。


 聖本堂に行けば、私は、私が何者なのか分かるのかな。私を、止めてくれるのかな。


 私の浅ましい考えは、神父(新人さん)にはわからなかったらしい。聖水を一気飲みした後の満面の笑み以降、私の顔から、表情が抜け落ちたらしい。自覚無し。…笑いの無い生活していたからな。腹減ったしかなかったし。飢餓は、恐ろしい。食えない苦しみは人を狂わせる。 

 

 腹が満たされた、一時の幸せの中で私はしみじみそう思っていた。

 


 

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