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第98話 宋国の実情

韓信が『コエンシャク』たちを連れて咸陽へ到着した。


「呼延灼将軍ではないですか!」


林冲は驚いて話しかけるが、コエンシャクたちは覚えていないようだ。


ツキノは早速コエンシャクの目を見る。


「このひと魔族と契約結んでいるよ?」

「自分の意思でやってないから解除は簡単だけど?」


「そんなことがわかるのですか!」


林冲の言葉にツキノは説明する。


「ゴブリンの持っていた魔導書で読んだのだけど、契約結んでいる人は目のどちらかに五芒星があるんだよね」


なるほど、確かにコエンシャクの右目には五芒星らしきものが移っている。


「これが両目と舌にまであったりすると解除はなかなか難しいみたい」

「そもそも、この手の契約を強制的にやったってことは、この人が意識混濁の状態だったのでしょうね」

「例えば良くないお薬や煙とか?」


ツキノの話を聞いて二人の副官が話し出す。


「そういえば、コエンシャク様が、何かの理由で東京とうけいに呼び出され、帰ってくると能力が向上し名前を思い出したと話していた」

「意識混濁?もしや、今都ではやっている『阿片』と言う薬を使われたのかもしれない」


2人の言葉に孔明が推測を話す。


「これはあなたたちの国が、コエンシャク殿を強制的に半獣化させるため呪縛をかけたようですね」

「しかもコエンシャク殿が拒否できないよう薬まで使って」

「恐らく魔族が、コエンシャク殿を自分たちの都合のいい道具にしたかったのでしょうね」


この話を聞き、副官たちは納得する。


「そういう事か、『四姦臣』の奴らめ!」


「四姦臣とは?」


孔明の質問に副官たちは説明する。


「今、この宋国は宰相の蔡京を筆頭に、童貫・高俅・楊戩と呼ばれる『四姦臣』が国を牛耳っている」

「こいつらは自身の出世や、保身・利益の為に他の者を全て利用するような奴らだ」

「こんな奴らを重宝している『皇帝』には目を覚ましてほしいのだが、政に関しては全く興味がなく、自身は絵などを描いて過ごし、国のことは全てこの4人に任せている状態」

「そんな状況を知ってか知らずか、隣国の『モンゴル帝国』もこの国を狙っている様子」

「このままでは、我々も国民も全てどこかの国の奴隷となる」


悲観する副将たちの言葉を黙って聞くコエンシャク。

これは魔族との契約のせいで、このことに関しては話せなくなっているであろう。


突然ツキノはチョーカーを外し、胡坐をかいて座るコエンシャクの膝に置く。


「ラビットチョーカー・ブレイク・ザ・カース!」


ツキノの言葉に突然コエンシャクの体が光りだし、黒い豹の姿になる。


「…ここは?俺はいったい何をしている?」


「「コエンシャク将軍!!」」


正気を取り戻したコエンシャクに二人の副将は歓喜する。


事情が分かっていない将軍にこれまでのいきさつを話す。


「そうか、よくわかった」

「そもそも俺が東京に呼ばれた理由は、以前書簡で出していた荊州の領民が不作による年貢の軽減依頼の返事をすると言われたからだ」

「宦官共に香を焚いた待機室に案内され、そのまま記憶が曖昧になってしまった」

「二人には迷惑をかけてすまなかった」


コエンシャクは二人の副官に謝った。


「コエンシャク将軍!」

「我々と一緒に四姦臣を倒しませんか?」


「なんだと?」


林冲の申し出にコエンシャクたちは驚く。


「将軍が守りたい宋国は今や魔族である四姦臣の私物となっております」

「このままではこの国に未来はありません」

「私はこのまま黙って宋国が魔族たちの手に落ちることを見過ごすことができず、ピット王たちに協力をしております」

「そして、私の妻を救い出すために…」


黙って話を聞くコエンシャクたちに韓信が話す。


「荊州攻略時に、我々は宋国の領民には手を出さないよう徹底指示を出しておりました」

「これは国に領民なくして成り立たないからです」

「今の宋国は国の安定の名のもとに領民を苦しめております」

「本来は領民の為に国が努力せねばならない事なのですがね」


この言葉に3人は意を決した。


「あなた達がそこまで言うのなら、我らも信じて協力しよう」

「しかし、もしその言葉に嘘偽りがあったときは真っ先に我らがあなた方の首を取ろうぞ」


コエンシャクたちが念押しした後、進化が始まる。


「荊州の城主をしておりました『呼延灼こえんしゃく』と申します」

「呼延灼将軍の副官をしております、天目将『彭玘ほうき』です」

「同じく呼延灼将軍の副官をしております、百勝将『韓滔かん とう』です』


『連環馬』で有名な呼延灼将軍とその副官2人が仲間になりましたね。

確か鎧で固めた馬同士を繋げて突撃する奴だったな。

と言うか、もはやその人の解説係だな俺。

まぁ神様なんて一定のところまで進んだらそんなにやることもないし、実際生きていたころ?の自分もなんかあったときくらいしか神頼みしてなかったからね。


こうして呼延灼たちは、韓信と合流した。


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