第97話 任務完了
調教施設では戦後処理が始まった。
司令官含め投降者は1500名ほどおり、ワイバーン達にお任せした。
この辺は龍族の国があり、そちらの方に奴隷として売り飛ばすそうだ。
戦利品である武器類は、一部の兵器を除いてこちらもワイバーンの集落に設置予定。
早めに降伏してくれたおかげで、対空魔法兵器などいろいろなものが無傷で手にはいっている。
義経は今回協力してくれた、雁とビックホーンの皆さんにお礼を言った。
彼らによる事前調査により、大まかな兵力・装備数、魔族たちの指揮や行動パターンなどが事前に把握できた。
そして当日、咸陽戦でも活躍した闇魔法アンチエリア発生装置を、蝉丸が乗ったワイバーンが上空で展開し敵の闇の障壁魔法を封印。
続いて、角に2本の松明を付けたビックホーン300頭が施設内に突撃。
高山に住むだけあって、身体能力は素晴らしく、跳躍力と機動性で敵を大混乱に陥れた。
そのままビックホーンに乗って現れた義経の部下たちは対空魔法兵器を無力化、アンチ魔法エリアを解除後、待機中のワイバーン隊が攻撃に参加してそのまま降伏となる。
雁の場合と同じく、ビックホーンも高山を移動中に鷲などに襲われることが多く、その時はワイバーン達が守ってくれることで協力を頂いた。
「しかしよくビックホーンに松明を付ける作戦なんか思いついたな?」
ディックが嬉しそうに義経に質問すると、実はと説明する。
「これは俺の前世で『木曽義仲』って武将が、牛の角に松明を付けて勝利した『火牛攻め』って戦法なんだよ」
「へぇ、お前と言いそいつと言い、日本の武士にはアメージングな奴が多いんだな!」
ディックは笑って義経の背中を軽く叩いた。
(そういえば義仲の奥さんの巴御前はうちに転生していたな…)
義経はそう思いながら、自身も前世の思い人に会える日がいつか来るかもしれないなと想像していた。
これにて、ワイバーン救出作戦は終わりを告げる。




