第88話 そして、最後の戦いへ
黙ったまま政務室から動けずにいるレッドキャップに、従弟熊が報告を伝える。
「大王、今しがた兵より報告があり…」
何も話せずにいる従弟熊。
「なんだ!早く話さないか!」
その言葉にビクッとなりながらも報告を続ける従弟熊。
「はい、亜父殿が…ラビットの手の者に追い詰められて・・・自身を剣で貫き川に身を投げたとの事です」
この報告に声も出ず固まってしまうレッドキャップ。
「申し訳ありません、私は敵に踊らされて亜父を死に追い込んでしまいました」
その場で土下座し詫びる従弟熊。
レッドキャップはその場に突っ伏して泣いた。
「亜父!すまなかった!」
「俺が亜父を信じることができず」
「答えに迷ってしまった為に、亜父を死に追い込んでしまった!」
どれほどの時間が流れたであろうか。
レッドキャップは立ち上がり、皆に号令をかける。
「皆の者、出陣じゃ!」
「今からウサギ共を討ち取って、亜父への手向けの花にする!」
この言葉に、俯いていた兵士たちの心に火がともる。
「亜父の敵討ちだ!」
「ウサギ共を血祭だ!」
「咸陽を奪い返せ!」
皮肉にも、亜父が死んだことにより兵の士気が高まった。
「出陣!」
レッドキャップのその言葉に、守備兵100を残し、総勢約7000は咸陽へと向かった。




