第48話 淮陰への道
ピットたちは川を隔てたイワイ領へと向かう。
通常、両国間の行き来は数か所ある橋を使うのであるが、橋の出口には関所があり忍んできているピットたちには使用することができない。
そのことを理解していた蒯通は、すでに渡河用の船を手配しておりあっさりとイワイ領へと侵入する。
「この者、恐ろしく手際が良いですな」
官兵衛は感心する。
「私はもともとイワイの領地に住んでおりました」
「彼の元を離れたときに、また戻ることがあるかもしれぬと手筈を整えておいたのです」
蒯通が答えると、孔明は納得したように答える
「なるほど、初めからイワイの説得に我々の力を借りるつもりだったのですな?」
「その通りです、ただ…」
「最初はナインテール殿を頼ろうと思っておったのですが、途中でピット王がゴブリン兵団を消滅させたと噂で聞き」
「ナインテール殿の前で狂人を装い捕まり、ピット王が檻の中の私にどのような対応をするのか見てみたかったのです」
蒯通は申し訳なさそうに3人に話すと、ピットは質問した。
「それで…私はどう映りました?」
蒯通は答える。
「最初見たとき、このウサギがどうやってゴブリン兵団を倒したのかわかりませんでした」
「しかし、あなたの周りの人物を見たとき確信しました」
「この方は兵を率いる方ではなく、将を率いる方であると」
「そして、王のその魅力に私も引き付けられたのです」
「なるほど、蒯通殿はすでに王の虜ということですな」
「かくいう私たちもそうなのですがね」
蒯通の返答に2人は笑って答える。
「さて、イワイの根城に到着いたしますぞ」
前を見ると、そこにはイワイの住む街・淮陰が見えてきた。




