第37話 咸陽への道
次の日、ピット一行は敵地レッドキャップのもとへと向かう。
メンバーは
官兵衛・黒田八虎
護衛で百地率いる伊賀衆20名
今回は鳥車で川を渡り山道を行くため、行軍もかなり遅くなる。
2度目の野営で明日は咸陽入りのところでピットは官兵衛に尋ねる。
「私は何も聞かされていないけど、計画の方は順調に進んでいるの?」
「はい、孔明殿のお話によりますと、陳平が強力な援軍を迎え入れているとのことです」
「援軍?」
「そのようです」
「ですので、私たちは孔明殿の指示通りに演じれば宜しいのです」
「そうなんだね、皆の考えが凄すぎて自分は全然ついていけないや…」
「私には兄のような強さや姉のような大きな魔力を持っていないし」
「この国であまり役に立っていないのではないだろうか?と考えてしまう」
そう言って落ち込む王を官兵衛は笑って話す。
「こういう事は、得意なものに任せておけばよいのです」
「王にはその者たちのことを信じて指示くだされ」
「我々は王の為に、粉骨砕身の覚悟で努力します」
改まって話してくれた官兵衛に
「わかったよ、私には私にしかできないことを精一杯務めるよ」
「さぁ、もう休みましょう」
「明日は少々大変な一日になるでしょうから」
そう話し二人は眠りに入る。
ピットが眠りについたころ、官兵衛はひとり呟く。
「あなた様はまだお気づきではないだけです」
「神がなぜあなた様を王に選んだのか」
「皆信じているのです」
「自分たちが前世で叶わなかったことを実現できる可能性がある王だと」
「ピット様、勝手なお願いになりますが、我々に夢の続きを見させてください」
森の夜は更けていく。




