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第181話 先を見据える戦

城を出た島津義弘は、憤慨しながら京都の島津別邸と戻る。


「おう叔父上!よか報告ができて領地も安泰になったじゃろ?」


豊久は笑いながら話しかけたが、義弘は機嫌が悪いままだ。


「ふん、現領地の統治は認められたが、代わりにとんでもないことを言ってきおった」


「なんじゃ?人質でもよこせと言われたか?」


豊久の答えに首を振る義弘。


「ちがう、近々侵攻する『亜人連合国』への兵を出せと、半兵衛の奴が言ってきおった!」


「これが、我ら外様隊の戦力を削ぐための策だと分かるから、なおさら腹が立つんじゃ!」


怒る義弘に、豊久は笑う。


「ははは、叔父上よ、そう怒んな」


「おいは戦が好きじゃから、今回の出兵は嬉かぞ!」


「まったく、お前と言う奴は…」


戦を純粋に喜ぶ豊久を見ていると、義弘も怒るのが段々馬鹿らしくなってしまった。


「それによ、叔父上」


「うん?」


「おいは亜人連合におる『ピットの部下』って奴らと戦ってみようごたっとたい!」


目を輝かせながら、豊久は話を続ける。


「今、彼奴はうまい事やって帝との婚姻に取り付けとる」

「ならば奴の腕利きの部下共が、亜人連合に集結するってこったい」

「噂じゃ、『古今東西の武人』達を家臣にしとるち聞いとっから、そいつらに会うて戦えるだけでも、おいは行く価値があるち思う」


「ハッハッハッ!本当にお前は、弟の家久に似て戦馬鹿じゃな!」


義弘は笑いながら返事をする。


「それによ、叔父上」

「薩摩は今んまま信長に仕えとっても、一生うだつのあがらん生き方をせんといかん」


「じゃっどん、もし…この前死にぞこなったウサギの王様が、おい達と組んで信長に『下剋上』がでくっとしたら…なんかワクワクしてこんか?」


「そういう意味でも、おいはこの出兵には賛成やど!」


なるほど、ただ戦好きなだけでなく、薩摩の今後も考えていたかと義弘は頷く。


「よし、ならば我ら薩摩は精鋭団をもって、亜人国の奴らに『鬼島津』の恐ろしさを教えてやろうぞ!」


二人は意気揚々となり、次の日薩摩へと戻って行った。


これより2か月後、宇喜多秀家率いる『亜人連合攻撃団』の第一陣10万人が、名護屋城より出航することになる。


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