表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/375

第17話 一国一城の主

静かな執務室にノックが鳴り、文官のイタチは入ってきた。


白いイタチは静かに何かを書いているようだった。


「手紙ですか?イワイ様」


ふと、手を止めたイワイはその男に話しかける。


「やあ、留侯。何か急ぎの用かい?」


イワイは楽しそうに話しかける。


「ふふ、まぁ大したことではないのですが、ナインテールの領土で色々あったようでしてね」


留侯の言葉に、イワイは驚いたそぶりをしてみせる。


「これは驚いた!私の丞相は2000ものゴブリン兵団を一瞬で消した者たちの存在を、大したことがないの一言で言ってのけられる!」


イワイのいたずらっぽい言葉に、留侯はやれやれと肩をすくめる。


「そこまでわかっておられるのなら、もう手を打っておられるのでしょう?」


いたずらっぽく微笑むイワイは書いてあるものを留候に渡す。


「ちょうど今書き終わったところですよ。ラビット村の王に対して、友好の使節団を送りますってね」


「なるほど、しかし今回の件で他の勢力も一気に動くでしょう。距離がある我々としては後手に回りそうです」


「まぁ、それはレッドキャップのところも同じでしょう。彼にさえ付かなければ何とかなるでしょうし…」


イワイは腕を組んで天井を見上げる。


「しかし、ナインテールはどう動くのでしょうかね?自分の領地に突然現れた謎の軍団。敵にすることはないと思うのですけど…」


「彼の心は全く読めませんからな…」


イワイと留候は腕を組んで考える。


「とりあえず、この手紙を先生に持っていっていただきます。例の村の現状偵察もお願いしたいので。」


「それが宜しいでしょう、早速呼んで参ります」


留候は頭を下げ、部屋から出て行った。


一人残ったイワイは呟く。


「私はあの時、もう一人の先生の言うことを聞かずに滅んでしまった。同じ過ちは繰り返すわけにはいかない…」


「あの時?」


いま自分が言った言葉の意味は何だったのだろう?イワイは考え込むのであった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ