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聖女召喚?

「こっちへおいで」


 ベッドの上から、私の契約精霊が誘ってくる。


「明日、聖女進級テストだから、今日は、無理」


 私は、教本から顔を上げ、ちらっと金色の精霊の方を見た。

 黄金の髪が、精霊の美貌を縁取っている。

 はちみつみたいに甘いまなざしで、誘惑する。


 地下の狭い部屋の中で、高貴で妖艶な精霊と二人きり。誘惑をかわして、机に向かい、勉強に集中する。明日の試験に落ちたら2年生に上がれない。


「なんだ、これなら僕が教えられるよ」


 後ろから抱きついてきた精霊が、私の肩ごしに教本を取り上げた。


「こんなもの読まなくても、僕に何でも聞いて?」


 精霊は、教本をぱたんと閉じた。表紙には『精霊の種類とその習性』の文字。


「精霊のことなら、誰よりも詳しいよ」


 彼は、精霊界に100人ほどしかいない貴族階級の精霊。たぶん貴族の中でも、とても位が高い。それが私の契約精霊。


「カナデになら、なんでも教えてあげるよ。なんでも、ね」


 吐息が耳にかかる距離で話しかけられて、あわてて体をひねって逃げる。真っ赤になって、距離を取った私に、精霊は面白そうに微笑んだ。


 1年前は普通の高校生だった私が、異世界で金色の精霊と、聖女進級テストの勉強をしているなんて、そんなこと信じられる?


 全ては、あの日に始まった。



 今から約1年前。



 氏名 ササハラ カナデ

 レベル 18

 職業  聖女(見習い)

 住所  なし(召喚者寮予定)


 HP 120

 MP 30

 契約精霊 なし


 聖力    SSS

 精霊共感力 E

 精霊抵抗力 A



「なにこれ?」


 バスが事故をおこして、橋から落ちる瞬間、死にたくないって思ったら、異世界に召喚された。


 まぶしい光に包まれたと思ったら、カラフルな髪と服の人がいる部屋にいて、黒いローブの男性に渡されたのが、このカード。


「あなたのプロフィール・カードです。身分証の役割もありますので、大切に保管してください」


「え? え? どういうこと?」


 疑問だらけの私に、説明してくれたことによると、


 この世界、リヴァンデールでは、生命の危機の瞬間に、生きたいと強く願った独身女性を異世界から召喚しているそうだ。望めば、元の世界に帰還させてくれるけど、召喚された瞬間に戻るので……、つまり、死ぬかもしれないってこと。


 じゃあ、この世界で、私はこれからどうしたらいいの?


 不安そうな私に、その男性、召喚庁の職員は、封筒を渡してきた。


 中に入っていたのは、

『初めての異世界生活』『精霊辞典』『精霊Q&A』『聖女学校入学願書』


 なにこれ?


「召喚者は聖力が非常に高いのです。聖力を糧とする精霊と契約して、聖女になり、この世界の発展に力をお貸しください」


 そして、私は、聖女見習いとして、精霊と契約するためのお見合いパーティに参加することになった。

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