プロローグ<邂逅>
プロローグが続きます。
初春の心地より風を浴びながら公園で缶コーヒーを飲みつつ俺は、営業の見込み先リストを眺め愚痴をこぼしていた。
「この不景気の中で例年のノルマの2倍ってマジかよ・・・うちの会社ノルマ達成してやっと0評価だろうに、給料減らす気にしか感じないなぁ。」
社会人になって2年目、営業にも慣れてきた最中に起きた不景気によりノルマとサービス残業が増え、家と会社の往復だけを繰り返すことでストレスが溜まり、更に先輩にはサボり方を教わった事で、今現在、学生街のど真ん中の公園のベンチで一服している所である。
今いる自分の反対側のベンチでは、学生達であろう男1人に女3人で会話しているのを見て呟く
「リア充爆発しろ。」
イケメンにはやはり女性が集まるのであろう、誠にうらやましい限りである。
大学以来彼女もいなけりゃ出会いもなく毎日仕事三昧な自分を振り返り学生時代が懐かしい事この上ない。
俺は『宗像 景』ゲームが趣味なのにゲームする時間を作れず、日夜営業回りにより、最近目が死んでると先輩や上司から言われる事が増えてきた24歳である。
「仕方がないけど、仕事しますかねっと。」
そう言いながら、空の缶コーヒーを捨てるために立ち上がり学生達の近くの自販機の方へ向かう。
缶をごみ箱に入れる直前に足元が急に光を放つ。
「はい?何これ???」
俺は戸惑いながら周りを見回すと、学生達を中心に地面が光り、如何にもな魔法陣が見える。
そこにいる学生達が戸惑いながら叫んでいる。
「な!?なに!?」
「何よこれ!?」
「え?・・・」
「何だよ!?これ!?」
それを見つつ冷静にゲーヲタな俺は異世界召喚的なやつかなこれ?と思いつつ、光から一歩横にズレたら巻き込まれないなと冷静に考えた俺は一歩横に動こうとした・・・が身体が動かない・・・
「は!?マジかこれ!?」
と驚きつつ俺と学生達は光の中に包まれ周りの景色が白く染まっていき意識が遠のいていった・・・