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デビルソング  作者: らっきー
16/25

暗殺者たち

今日の標的は女だった。

雨の降るキルトーキョーの高級マンションの部屋で一人で寝ている女の首を切り落とした。

ミツメは黒い和傘の仕込み暗殺刀 黒網 の刀身を鞘におさめると高級マンションを立ち去る。


マンションの防犯カメラには特殊な妨害電波を出す黒いフードつきのレインコートを着ているため映りはしないが、念のためにエレベーターは使わずに階段で逃亡する。


逃亡ルートは暗殺を行う前に調べ上げられ、ミツメはそのルートを頭に入れていた。


ミツメは逃亡ルートの終着点に時間通りに到着すると、いつも通りに黒い1BOXカーが現れ暗殺者は乗車する。


車の中にはいつものメンバーが揃っていた。三人組の男である。


三人組は、見張り役であり 証拠隠滅係であり 防犯カメラの妨害役であり 必要ならば死体の処理役にもなる。


全員が黒いスーツで黒いネクタイ 黒い革靴で顔を隠すように黒いマスクをしていた。


一番背の高い男は40代ほどでガタイがよくジョンドゥと呼ばれている。


年齢不詳のスキンヘッドで常に山高帽を被り、肌の色が妙に真っ白で目つきが鋭い男はジョンドゥの部下で蟲と呼ばれている。


そして、三人目の男は老人であった。


彼がミツメに暗殺を指示し、暗殺刀の黒網を与え、このグループをまとめるボスであった。



暗殺グループを乗せた自動運転の車は四 五十分すると目的地のキルトーキョーにあるアジトに到着する。


アジトといっても薄暗い廃墟などではなく、繁華街にあるマンションで周りは賑わいをみせていた。


今日は隠蔽工作が少ないためかアジトというか事務所にはジョンドゥと蟲は寄らずに帰るようで二人は駐車場に停めた別の黒いワコンに乗り換え去っていった。



ミツメと老人はアジトのコの字型に設置された黒張りのソファにそれぞれ腰掛けると一段落つく。


老人は一息つくと日頃の生活はなるべく規則正しく過ごすようにと、少し小五月蠅い感じを残し、繁華街のアジトから去っていった。


ミツメはアジトの一角にある自分のあまり物のない生活スペースの部屋に戻ると、ベッドに横たわり、ふと思いにふける。


暗殺者として動くようになってからは衣食住の全てを老人に与えられた。


まさか、あの老人とこのような関係になるとは出会った時の幼いミツメは想像もしていなかった。


初めて人を斬った19歳の出来事が大きな変わり目ではあったが、未だ思い返すと、その何年も前に転機があったように今は感じている。


老人はある刻から変わった。


見た目や声や名前は変わっていないが確実に変わった刻があった。


その時のミツメはこの老人にそれほど興味がなかったので、特別問題視はしなかったが、


今思い返すとアレが転機だったと思い返す。



ミツメは何も解決しない昔の思い出を思い返しながら、知らね間に眠りについていた。


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