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デビルソング  作者: らっきー
14/25

モンスター

「気絶したらダメだよ。頑張って。」


特殊な金属のベッドに拘束器で貼り付けられたタケオは激痛と戦っていた。


まるで十字架に貼り付けにされるように手の甲と足の甲に五寸釘ぼどの針の激痛から始まり

爪の間 くるぶし 膝関節の隙間 股関節の隙間 腰骨の隙間と下半身から徐々に大小の針が上へと進んでくる


タケオは気が狂いそうな激痛を気絶しないように見事に調製された生命維持の薬剤を点滴されながら、なす術などなかった。


「ここまで耐えた人は久しぶりだよ。青田という人間に相当に恐怖してるのかね。楽しかったよ。でも、ここからが本番なんだよ。」


黒覆面で白衣の拷問屋は散々自分の趣味を楽しむと一本の細い注射器を取り出し真っ赤なワインのような薬剤を入れる。


これはプロの拷問屋のゴンタが完璧に調製した自白剤で拷問対象の意思とは無関係に自白してしまうゴンタの必需品だった。


真っ赤なワインのような自白剤を打ち込まれたタケオは朦朧とする意識で一つ口ずさむ


「イバラ葬儀店、、、、、」


イバラ葬儀店、、タケオがこの言葉を発した瞬間


拷問屋のゴンタの背中に何かが突き刺さる。


突き刺さる物を確認するために振り返る拷問屋の目に写ったものは


四本足に 真っ黒な体 体毛は短く 細見だが筋肉質 その口には肉を切り裂く牙 


ドーベルマン


戦闘犬だった。


そしてこのドーベルマンには犬にはありえない武器がある


その強靭な牙とはべつに2メートルほど尻尾があり、その尻尾の先には毒針が。

そのモンスター犬の毒針には強力な神経毒があり一刺しで人間などは体が痙攣し身動きが出来なくなる。


ゴンタの背中にはこの5センチぼどの毒針が根元まで突き刺さっていた。




「青田郡司のペットだ。」


赤髪が口を開いた。

薄暗い賞金稼ぎの事務所で二人の賞金稼ぎはチビが持ち帰った拷問屋のゴンタの動画を見て固まっていた。


青田郡司の別名は噛みつきジャックである。


第47師団隊長の青田郡司が噛みつきジャックと呼ばるのは、この狂気に満ちたモンスタードックを使って捕虜の処刑を行なっていたことからきていた。


この神経毒の尻尾針を移植したドーベルマンは多くの捕虜たちに毒を打ち込み動かなくなった獲物の体を噛み切る。


老若男女 噛みつきジャックは処刑を楽しんだのであった。




「冷却仮眠装置だ」


毒針ドーベルマンは突然現れたのではなかった。はじめから青空企画の事務所の中にいたのだ。


乱雑にものが置かれた事務所にまるで銅像のようなドーベルマンの置物があった。


仮眠装置により仮眠状態にあったモンスターは、おそらくタケオのいくつかの言葉によって目が覚めるように設定してあったのだろう。


その一つがイバラ葬儀店、、、、


眠りから覚めた毒針ドーベルマンはその空間に居た二つの獲物を虐殺し、絶命を確認すると器用に毒針を収納した長い尻尾をドアノブに絡めるとドアを開け姿を消した。




惨殺現場から慌てて逃げ出しチビは上司の赤髪の元に動揺しながら小型の録画カメラを持帰り、この映像を二人で確認する



イバラ葬儀店、、、、


二人の賞金稼ぎは闇が広がる入り口の鍵を手に入れてしまったのだった。


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